「電池式やソーラーパネル付きの充電器、手回し発電機、車のシガーソケット、ポータブル電源など、充電方法を複数通り用意しておくことがポイントです」

 今回、復旧時の漏電などによる「通電火災」と見られる建物火災が相次いだ。素人が漏電を見つけるのは難しいが、停電時に家電の電源スイッチを即座にオフにすることで一部は未然に防げる。買い物や避難で自宅を離れるときは電子機器や家電の電源プラグを抜き、ブレーカーも落とす。停電になると冷静さを失い、気が回らなくなるのは当然だ。平常時に「停電イコール電源オフ」を心がけておこう。

 今回の停電でエアコンなどが使えなくなり、千葉県では発生から1週間で約500人が熱中症で救急搬送された。玉田さんは、粉末タイプの経口補水液といったソフト面での対策とともに、ハード面では車の冷暖房を使うのも有用だと言う。

「あくまで『地震や洪水など、ほかの災害時は別』と念頭に置いた上での話ですが、暑さ・寒さをしのげる場所として車は有用です。ガソリンさえあれば動くので、停電時の拠点の一つと考えてよいでしょう」

 いま一度、自分たちの備えを見直してみてはいかがだろうか。(本誌・緒方麦)

週刊朝日  2019年10月4日号