国としてそういう団体の取り締まりをしてこなかったのが悪かった。なぜか?多くの人にバレつつあるが、そういうレイシストの一部が、安倍政権を熱烈に支持しているからだ。

 オリンピックって平和の祭典、もうはじめのコンセプトからしてグダグダだ。でもって、この国や組織委員会の対応の失敗を誤魔化(ごまか)すため、「旭日旗の揚がっているところを見ると、がぜんやる気になるんです」なーんて発言する選手が現れたりしないだろうな。

 そういわされるおそれはある。そんなことが起こったら話が余計ややこしくなるだけだけど、JOCの理事会が非公開になったことだし(誰の提案か誤魔化せるし)、彼らのこれまでをみてたらそういうこともあるんじゃないかと……。

 話し合いを非公開にするなら、上手(うま)くいかなかった場合の責任も一手に引き受けてくださいよ。そこだけは国民総懺悔(ざんげ)とハナから決まってるみたいだが。

週刊朝日  2019年9月27日号

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室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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