沖縄につながるか? 米議会がいま、米軍再編を再検証したい理由 (2/4) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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沖縄につながるか? 米議会がいま、米軍再編を再検証したい理由

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猿田佐世週刊朝日
屋良朝博衆院議員と8月中旬にワシントンを訪問(筆者提供)

屋良朝博衆院議員と8月中旬にワシントンを訪問(筆者提供)

ワシントンを訪問した筆者

ワシントンを訪問した筆者

「知っているも何も、これは、私たちの議員が何よりも推している条文だ」
「これを、なんとしても最終的な法律に織り込みたいと考えている」

■なぜ米軍再編の見直しを求めるのか

 この条文は、「日米政府が決めた米軍再編による現在の米軍の配備計画を再検証せよ(review・見直せ)」というものである。日本で「米軍再編」といえば、まずは沖縄の辺野古基地建設である。辺野古基地建設を有無を言わさず進める日本政府の態度からは、その基礎となっている米軍再編について、米議会において、しかも下院より優越した院である上院が「米軍再編を再検証せよ」という条文を可決していることなど想像もできない。

 では、なぜ、米上院は米軍再編の再検証を求めるのだろうか。

米軍の展開について様々な話をする中で、質問をストレートに投げてみる。

「なぜ米軍再編による米軍の配置を見直したいと考えているのか」

法案の担当をしているという補佐官から、次のような回答が返ってきた。

「それは、我々の州に軍隊を呼びたいからだ。軍というものは、経済面でも雇用面でも、州にとって極めて価値のある存在なのだ」

「恒常的に存在する基地を呼び込みたい。でも、それが困難なら、一時的なトレーニングであってもいいからとにかく軍に我々の州に来て欲しいんだよ」と、永続的な基地を呼び込むのは容易ではないという残念そうな表情も見せながら、補佐官らは口々に話した。

 今回の屋良議員の訪米では多くの議員事務所と面談を行ったが、他所でもこの法案を担当している補佐官から、自分の州に軍を呼び込みたい議員がこの条文を支持しているという説明を聞いた。

■地域社会の基地への支持はあるのか

 日本政府はいま現在も、辺野古の海で基地建設のための埋め立てを続けている。そんな中、米議会の上院は、「現在の米軍再編計画を一度見直せ」という意思表示をしたのである。もちろん、この条文は「辺野古基地建設を止めよ」といっているわけではない。そもそも、辺野古基地建設に直接言及しているわけでもない。

 しかし、日本政府が、反対する沖縄の声に耳を一切貸さずに基地建設を日々粛々と強行しているときに、基地建設のベースとなる米軍再編計画自体の見直しを米議会上院が可決したこと自体が、まずは、大変大きな出来事である。

 さらには、この条項案は、その米軍配備計画の再検証に際しては有事対応能力、コストなど様々な視点での分析がなされねばならないとした上で、「米軍のプレゼンスに対する受け入れ国、地域社会及び地域の人々の政治的支持」といった角度からの検証を国防長官に義務づけてすらいるのである。日本政府から、常に頭越しに決定され、無視され続けてきた沖縄。まさに、「地域社会及び地域の人々の政治的支持」という視点の検証こそが沖縄の人々が長年求め続けてきたものである。


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