「耳鳴り」の苦痛を軽減 今注目の「音響療法」とは? (2/4) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「耳鳴り」の苦痛を軽減 今注目の「音響療法」とは?

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出村真理子週刊朝日#ヘルス#病気
慶応義塾大学病院耳鼻咽喉科講師・神崎晶医師(左)/愛知学院大学歯学部准教授 耳鼻咽喉科科長・高橋真理子医師

慶応義塾大学病院耳鼻咽喉科講師・神崎晶医師(左)/愛知学院大学歯学部准教授 耳鼻咽喉科科長・高橋真理子医師

耳鳴りの起きるしくみ (イラスト/寺平京子)

耳鳴りの起きるしくみ (イラスト/寺平京子)

 高い音が聞こえにくい難聴の場合は、「キーン」という高音の耳鳴りがすることが多いようだ。病気の種類や、難聴の進み具合によっては、高音だけでなく、中音や低音が聞こえにくくなることもある。低音域が聞こえにくい場合は、「ブーン」「ゴーッ」という音が聞こえたり、全体的に聞こえが悪い人は、「ザーッ」というテレビのノイズのような音や「ジーッ」というセミの鳴き声のような音が聞こえることもあるようだ。

 以前は、耳鳴りは内耳の障害により起こる、耳の異常によるものと考えられていた。しかし現在では、脳に伝わる電気信号が少なくなることで脳が興奮して起こるもの、つまり、脳によって起こるものであることがわかっている。

 耳鳴りには、「記憶や感情と結びついて、精神的な症状につながりやすい特徴がある」と慶応義塾大学病院耳鼻咽喉科の神崎晶医師は話す。

 耳鳴りがずっと続くことでイライラしたり、「このまま治らないのではないか」「耳が聞こえなくなってしまうのではないか」などと不安になったりすると、より耳鳴りに意識が向き、つねに音が気になる状態になってしまう。

「ほかにも、例えば交通事故が原因で聞こえが悪くなり、耳鳴りが起こるようになった場合は、耳鳴りがするたびに事故の嫌な記憶がよみがえり、苦痛や不安を感じるということもあるようです。意識するほど音が気になり、よけいにイライラや不安が募るという悪循環により、不眠症やうつ病などになってしまうこともあります」(神崎医師)

 愛知学院大学歯学部准教授で耳鼻咽喉科科長の高橋真理子医師は、「耳鳴りを放っておくと、聞こえが悪くなるのではと心配する患者さんが多い」と言う。

「でも、実際は逆で、耳鳴りがあるから難聴になるわけではなく、難聴に伴って耳鳴りが出現するのです」(高橋医師)

 つまり、難聴が原因で耳鳴りが起こるということ。耳鳴りと難聴を、関係のない別の疾患と考えている人が多いようだが、両者には深い関わりがあり、「耳鳴りのある人の多くに難聴がある」といわれている。一方、耳鳴りの起こり方や感じ方には個人差が大きいと考えられる。


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