吉本がタレントのギャラ開示と独立容認 芸能界に衝撃 公取委が改善促す

多田敏男週刊朝日

吉本興業の東京本部。信頼回復はこれからだ=撮影... (10:08)週刊朝日

吉本興業の東京本部。信頼回復はこれからだ=撮影... (10:08)週刊朝日
 反社会的勢力が関わる“闇営業”問題で信頼回復に取り組む吉本興業は9月2日、「経営アドバイザリー委員会」の3回目の会合を開いた。ギャラの開示を進めていくことや、辞めた芸人に番組出演を巡って圧力をかけないことなどが、会社側から報告された。

【写真】経営アドバイザリー委員会の川上和久氏

 吉本はテレビ局などから受け取る出演料のうち、会社側の取り分と芸人に支払うギャラの比率を本人に示していく方針だ。辞めた芸人に対して番組に出させないようテレビ局などに圧力をかけることは、これまでもこれからも「一切ない」としている。

 こうした問題は、吉本興業以外の芸能事務所でも、長年取りざたされてきた。芸能界ではタレントのギャラが不透明だったり、番組出演を巡って事実上の圧力がかかったりすることがこれまで横行していた。公正取引委員会が8月、独占禁止法などに抵触するケースを示すなど、批判が高まっていた。6千人の芸人を抱える吉本が改革方針を示したことで、芸能界全体に大きな影響を与えそうだ。

 委員会の終了後に、座長の川上和久・国際医療福祉大学教授(政治心理学)が会見。反社会的勢力と関わらないことなどを約束する「共同確認書」について、約1千人の芸人が会社側と交わしたことを説明した。残りの約5千人については、年内をめどに進めていくという。

 共同確認書を交わすなかで、芸人からの要望が強かったのがギャラの問題だ。吉本の岡本昭彦社長は7月の“グダグダ会見”で、ギャラ配分について「ざっくりした平均値でも5対5から6対4」と発言。これには複数の若手芸人らが、吉本から受け取った金額をツイッターなどで公表し、「5対5なんてあり得ない」などと不満が出ていた。ロンドンブーツ1号2号の田村淳も、ギャラの配分を示す契約書がないことを問題視していた。

 川上氏によると、委員会では会社側から、全体の半分程度が芸人に払われている事例の説明があったという。岡本社長の「5対5」という主張に沿ったものだ。その上で、川上氏は次のように指摘した。

「共同確認書を交わすときに重要なのは料率(ギャラの配分)の問題でした。これまでわかっていなかったことについて、『透明化して、きちんとわかるようにしてほしい』というのが一番の要望でした。一部のタレントから、『たくさん吉本に取られている』ということもありました。吉本がテレビ局と契約した場合、このぐらいで受けて、あなたはいくらだと開示する方向でやっていきたい。吉本からもケース・バイ・ケースで丁寧に料率を開示していくという説明を受けています。芸人さんから求められれば、すぐにでも開示していきます」

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「優越的地位の乱用」の発想自体ないという吉本の主張とは

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