いまや絶滅寸前!? 上品で柔らかな「船場言葉」とは? (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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いまや絶滅寸前!? 上品で柔らかな「船場言葉」とは?

連載「出たとこ勝負」

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黒川博行週刊朝日#黒川博行
黒川博行(くろかわ・ひろゆき)/1949年生まれ、大阪府在住。86年に「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞、96年に「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞、2014年に『破門』で直木賞。放し飼いにしているオカメインコのマキをこよなく愛する (写真=朝日新聞社)

黒川博行(くろかわ・ひろゆき)/1949年生まれ、大阪府在住。86年に「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞、96年に「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞、2014年に『破門』で直木賞。放し飼いにしているオカメインコのマキをこよなく愛する (写真=朝日新聞社)

※写真はイメージです (Getty Images)

※写真はイメージです (Getty Images)

 話が逸れた。船場言葉だ。

 いまや絶滅寸前の船場言葉だが、わたしが子供のころはまだ耳にすることがあった。基本は船場あたりの大店の商いの言葉だから、上品で柔らかで、決して早口ではない。谷崎の『細雪』や上方の古典落語にその名残がある(映画『悪名』で中村玉緒の話す船場言葉がまことにきれいです)。わたしが知っているひとでは藤本義一さんと田辺聖子さんがその話し手だった。

 藤本さんとは一度、食事をして、「早(はよ)う直木賞をとりや」と励まされた。

 田辺さんはわたしが『サントリーミステリー大賞』を受賞したときの選考委員であり、直木賞の選考でも応援してもらった恩人だ。あのおっとりした船場言葉を絶妙な台詞で小説に落とし込み、幾多の傑作をものされた。

週刊朝日  2019年8月30日号


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黒川博行(くろかわ・ひろゆき)/1949年生まれ、大阪府在住。86年に「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞、96年に「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞、2014年に『破門』で直木賞。放し飼いにしているオカメインコのマキをこよなく愛する

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