「だんだん」が終わってから、それぞれ一人ずつでの仕事が増えました。そんなときに、私が見なきゃいけないのは佳奈ではなく、もっと広いフィールドだったんだと、ようやく意識が変わっていきました。

「ふたりっ子」で“マナカナ”という存在を知ってもらい芸能界で仕事する一つのきっかけになり、「だんだん」はそれぞれ個人の役者としてやっていけるようになった、大事な転機になった作品だと思っています。

 その後も「べっぴんさん」、「なつぞら」と出演させていただきました。「なつぞら」は100作目ということで、小林綾子さんや松嶋菜々子さん、いろんなヒロインの方が出演されていて、私もお声がけあったらいいなと思いつつ、放送を楽しんでいました。そんななか、工藤阿須加さん演じる佐々木信哉の妻役での出演のお話をいただき、光栄でした。それまで一視聴者として見ていた作品に参加するというのは、「あぁ毎朝見ていたみなさんだ!」と不思議な感覚でした。

 私がこの仕事を続けてこられたのも、芝居を楽しいと思えるのも、朝ドラがいつもベースにあると感じます。何より、知ってもらえるという影響力の大きさが、本当にすごいですね。いまだに「『ふたりっ子』見てたよ」「『だんだん』面白かったよ」と言ってもらえる。朝ドラには感謝してもしきれないです。(聞き手 本誌・太田サトル)

※週刊朝日オンライン記事