石原裕次郎、渡哲也のプライベートのカラオケが録音されていたカセットテープなど
石原裕次郎、渡哲也のプライベートのカラオケが録音されていたカセットテープなど
2枚組みCD「石原裕次郎・渡哲也 プライベート」のジャケット
2枚組みCD「石原裕次郎・渡哲也 プライベート」のジャケット

 1987年に52歳で亡くなった昭和を代表する大スター・石原裕次郎がカラオケを楽しむプライベート音源が見つかった。三十三回忌にあたる7月17日に渡哲也のプライベート音源とともに全32曲集録の2枚組みCDとしてテイチクエンタテインメントから発売される。

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 1982、83年に山梨県の山中湖の別荘で療養中にカラオケを楽しむ裕次郎の歌声がカセットテープに録音されていた。保管していた渡哲也のマネジャーが昨年暮れ、CDにダビングするために石原プロモーションに持ち込んだことで、存在が明らかになった。88年に渡が友人のスナックでカラオケを歌う音源も加えて、初公開のプライベート音源だけで構成されたCDが完成した。

 タイトルは「石原裕次郎・渡哲也 プライベート」(税別3500円)。音源には歓声や拍手、会話も入っていて臨場感たっぷり。「旅姿三人男」「俺は待ってるぜ」「昭和たずねびと」「長崎は今日も雨だった」「岸壁の母」など15曲に加えて、60年の結婚披露宴で自ら歌った「想(おも)い出」も初収録された。

 裕次郎の担当ディレクターで今回の企画にかかわった後藤武久さんは「カセットテープの音源を商品化してもいいのだろうかという思いはありましたが、大スターの裕次郎さん、渡さんがプライベートでもこんなに歌がうまくて、我々と同じようにお酒を飲んでカラオケを楽しんでいる。ファンの方にとって貴重な音源ですので、世に出すことにしました。よろこんでいただける商品になれば、うれしいです」と語った。

 裕次郎は81年に解離性大動脈瘤の大手術を受けた。「早く元気になってください」という激励の意味を込めて開かれた療養中の別荘でのカラオケには、石原プロモーションの俳優、スタッフらが参加。電器店を営む知人がカセットテープに録音していたという。

 後藤さんは歌手・裕次郎についてこう話した。

「日本で男性歌謡曲を広めた人。昔から『歌は語れ』と言われますが、言葉で言うのは簡単でも実際は難しい。じゃあどうするんだというのを身をもって実践したのが裕次郎さん。息を混ぜて歌う。ソフトな歌声、語り口はやわらかくて、人間味が出ている。(若い人たちにとっても)新鮮だと思います。いませんから、こういうふうに歌う人は。提供される曲には一切文句を言わなかった。『あとは任せといてくれ、おれは役者だから』と言うとき、セリフとしてこの歌を表現してみせる、というニュアンスがありました」

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渡哲也「大変良い思い出」