健康増進型保険のパンフレット
健康増進型保険のパンフレット
(週刊朝日2019年7月12日号より) 
(週刊朝日2019年7月12日号より) 

「健康増進型」の保険が続々と発売されている。運動などで健康診断の結果が改善したりすると、保険料の割引やキャッシュバックが受けられる保険だ。死亡保障や医療保険などタイプもさまざま。果たして、その仕組みとは? ライター・横山渉氏がリポートする。

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 昨年3月から発売されている第一生命の「ジャスト」は必要な保障を選ぶパッケージ型で、「健診割」という特約を無料で付けることができる。契約時に健康診断書などを提出することで、保険料が割引になる制度だ。契約者の8割が付けているという。昨年7月に住友生命が南アフリカの金融サービス会社と組んで開発した「バイタリティ」も、特約で保険料とは別に月864円かけると、加入と同時に初年度の保険料は15%引きとなる。加入後に健康状態や運動量などを総合評価し、保険料が変動する。

 これまでも、非喫煙や血圧、BMI値で保険料が割引されるタイプの保険はあった。「リスク細分型」と呼ばれる。一般的に、健康な人は死亡・病気入院するリスクが低いと考えられるので、同じ保険料では不公平という考え方で考案された保険だ。損保でもゴールド免許保有者のほうが保険料が安くなるのはもはや一般的で、事故のリスクが低いと考えられているからだ。

 健康増進型は、リスク細分型のように契約時だけでなく、契約後も継続して健康状態をチェックしていくタイプのものが多い。健康診断を受けなかったり、健康診断の結果が悪くなったりすると、保険料が高くなるタイプのものもある。

 健康増進型開発のきっかけを作ったのは、自民党衆議院議員の鈴木隼人氏だ。

 国民医療費の約3分の1が生活習慣病関連だが、鈴木氏が経済産業省の課長補佐だったころ、経済界からのアプローチで構想した対策が健康増進型だった。鈴木氏が言う。

「開発するパートナー探しで複数の大手生保に話を持ち込んだものの、大手はどこも及び腰だった。そんな中、アイアル少額短期保険が協力することになり、経産省の委託事業という形で開発に携わることになった」

 健康意識が高まれば、病気を未然に防ぐ効果がありそうだ。

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