“殺されない”老人ホームの見分け方7カ条

“殺されない”ための注意7カ条 (週刊朝日2019年7月12日号より) 
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“殺されない”ための注意7カ条 (週刊...

 いまや老人ホームでは、入所者への虐待のみならず、“殺人”にまで発展するケースが見られるようになった。常勤医不在の4カ月の間に入所者11人が死亡するという、ずさんな施設があることも明るみに出た。“殺されない”ための老人ホームの見分け方について、専門家の声を紹介する。

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 惨劇を防ぐための独自の取り組みも始まっている。

「訪問する日時は一切、前もって伝えず、抜き打ちで調査を行います」

 こう話すのは、公益財団法人「Uビジョン研究所」の本間郁子理事長だ。同研究所では、施設サービスの質の確保と向上を目指し、主に「施設評価」を実施している。評価するのは、夜間の抜き打ち観察など17の項目。最終審査を経て、報告書が作成される。

 ある施設を本間理事長が抜き打ち調査したときのエピソードが印象的だ。

「抜き打ち調査ですから、柱の陰からそっと職員の会話にも耳をそばだてます。ある施設で、入居者が粗相して床を汚物で汚してしまったのですが、入居者が『私、やっちゃった……』と自分を責めるような言い方をしたのです。すると職員はこう優しく言いました。『失敗ではありませんよ。それより寒くないですか』。自然に入居者のことを気遣うことができる、素晴らしい職員だと好印象を持ったことは言うまでもありません」

 施設の経営者、職員など施設に関わる全ての人からヒアリングも行うという。

「介護の仕事は営利主義ではできません。いかに入居者に、つまり人に誠実に関わっているか。うれしかったり、悲しかったりということはデータではなかなか推し量れません。直接我々、第三者の目がとても重要になってきます」

 昨今の高齢者ホームでの虐待事件について、本間理事長は構造的な問題だと指摘する。

「20代の職員が80代の入居者とコミュニケーションを図るのはやはり難易度が高い。そこで大事なのは介護職員の教育の重要性です」

 Uビジョン研究所でも一般職員・役職者用と立場に応じた研修プログラムを実施している。高齢者虐待防止法の意味を読み解いたり、グループワークで課題を洗い出したりして、当事者意識を強くしてもらうことを心掛けているという。

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