巨人の小林誠司(C)朝日新聞社
巨人の小林誠司(C)朝日新聞社
巨人の炭谷銀仁朗(C)朝日新聞社
巨人の炭谷銀仁朗(C)朝日新聞社

 巨人の小林誠司が正捕手はくだつの危機を迎えている。6月17日現在、交流戦12試合で先発マスクをかぶったのは半分の6試合。炭谷銀仁朗の5試合と拮抗(きっこう)している。

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 大きな変化はエースの菅野智之とのバッテリーを解消されたことだ。腰痛から復帰した菅野が6月9日のロッテ戦(東京ドーム)、16日の日本ハム戦(札幌ドーム)と交流戦2試合で登板したが、いずれも炭谷がバッテリーを組んだ。

 スポーツ紙デスクが分析する。

「菅野の相棒は気心知れた小林で長年固定されていただけに、大きな変化です。炭谷は救援から先発に配置転換された桜井俊貴ともバッテリーを組んでいて、交流戦2試合登板で2勝と特徴をうまく引き出している。チームも交流戦で8勝4敗と上昇気流に乗っていますが、炭谷が先発マスクの試合は5戦全勝です。このまま正捕手を奪う可能性は十分にあるでしょう」

 炭谷が昨オフにフリーエージェント(FA)で西武から移籍した際は、「小林をスタメンで使うべきだ。なぜ炭谷を補強したのか」という意見がファンから多かった。球界屈指の強肩で菅野、山口俊ら投手陣の信頼も厚い。打力に課題はあるが、本来なら正捕手として試合に出続けなければいけない選手だ。

 一方で、扇の要として決定的に不足しているのは実績だ。捕手はチームを勝たせてこそ、初めて評価される。ヤクルトの古田敦也、中日の谷繁元信、ソフトバンクの城島健司、先輩の阿部慎之助らも個人成績ではなく、グラウンドの司令塔として常勝軍団にチームを導き、名捕手の称号を勝ち取った。
 小林が正捕手の座をつかんだのは2016年。以来3年間で優勝経験はなく、広島がリーグ3連覇した。

 他球団の某コーチは言う。

「広島の主力たちが成熟した時期に、巨人はレギュラーの選手たちがベテランになった過渡期で、小林だけを一概に責められない」

 その一方で、こう指摘する。

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