こうした患者の場合、主治医への不信感があることが多く、「セカンドオピニオンというよりも、ドクターショッピングに近い」と、花岡さんは感じている。

 アンケートでは、医師が患者からどんな病気(状況)でセカンドオピニオンを受けたいと言われたかも聞いた。病気では「がん」が圧倒的に多く74人(42%)で、次は精神疾患(11%)。心臓病、脳血管の病気、婦人科の良性疾患と続く。「がんの疑いがあり当地での精密検査を勧めたら、近県の大学病院で診てもらいたいと紹介を依頼された」(50代男性・一般内科)というように、最初の診断と治療方針をめぐる段階で受けるケースや、「乳がん術後の多発転移の症例。院内の外科に紹介しようとしたら、別の病院を希望された」(40代男性・一般内科)など、進行がんや転移がんの段階で受けるケースがあった。

 桑名市総合医療センター(三重県)顧問で、膠原病リウマチ内科の松本美富士さんが経験するセカンドオピニオンで多いのは、線維筋痛症という難病の診断や治療方針をめぐって。リウマチなどの膠原病では優れた治療薬がある上、ガイドラインも確立している。

「多いのは、治療内容とその効果の説明が、自分の考えていた治療法や期待度とずれていたときですね。それに納得できずにセカンドオピニオンを希望される方もいます。心情的には残念ですが、後に納得されて戻ってきて、当院で治療をされる患者さんとの関係は良好です」(松本さん)

(本誌・山内リカ)

週刊朝日  2019年5月31日号