一般的に、セカンドオピニオンを利用したいときは、主治医に「診療情報提供書」を作成してもらう。いわゆる紹介状のことで、患者の症状や診療内容、検査結果などが書かれている。

 患者は、意見を聞きたい医師(医療機関)に連絡を取り、セカンドオピニオンを依頼する。専門外来を設けていると、専用の受付があることも。第三者の専門医は、提供書などを確認し、基本的には面談で自院の治療方針や意見などを患者に話す。医療機関によるが、面談時間は1回30~60分程度が多く、費用は自己負担(自費診療)だ。

 千葉県東金市にある浅井病院で主にうつ病や神経症などの患者を診る精神科医の赤木孝匡さんは、自身の経験を踏まえて説明する。

「セカンドオピニオンを担当した医師は、基本的に患者さんに説明した内容を主治医にフィードバックします。患者さんのなかには転院を前提に受ける方もいらっしゃいますが、主治医の元に戻るのが原則です」

 以前勤めていた病院では、こんなことを話す患者がいたという。

「先生、実は○○病院のA先生に診てもらっていて、こういう薬を出してほしいって言っているんですが、出してくれないんです」

 その患者から現在受けている治療内容を聞き取って、「よい治療法だと思うので、主治医の先生と相談されたらどうですか」とアドバイスしても、その患者は主治医や受けている治療に不平、不満ばかり。紹介状を見せてほしいとお願いしたところ、「先生が怖くてもらっていません」。

「いい治療法を探したい気持ちはわかりますが、これでは患者さんのためになりません」(赤木さん)

 JR東京総合病院(東京都渋谷区)名誉院長で、麻酔科・痛みセンターで診察している花岡一雄さんは、痛みの専門家としてセカンドオピニオンを受けることが多い。同院は痛みの治療では専門外来を設けておらず、希望があった場合は受けるが、困ったケースもあるという。

「診療情報提供書を持ってこない患者さんが多いのです。どんな治療を受けていたのかも、検査の結果もわからない。当院でイチから検査を受ける必要があるが、自費だと高額になる。結局、保険診療としてほかの患者さんと同様に一般外来で受けざるを得ないという状況です」(花岡さん)

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