■大場正明(映画評論家)


評価:★★★
巨匠ロベール・ブレッソンやベルイマンへの畏敬の念を感じさせる厳粛な空気と、戦争や巨大化する教会や環境破壊といった問題に対する独自の視点が際立つ。監督の期待に応えたイーサンの抑制された演技が素晴らしい。

■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★
シーンに余韻を残しながら丁寧に描いたものが進んでいくので考える隙を与えられている感覚。なにを信じなにが正解でなにが罪なのかを。全編通しての自然光も観客を程よく迷わせる。生きる力になるものが結末の答え。

■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★★
深遠で強く考えさせられた。贖罪というテーマを扱ってきた監督・脚本家らしく、今作でもそのテーマを現代的な社会的背景と牧師を主人公に宗教的に追究している。到達する結論を含めて心にいつまでも余韻を残す。

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2019年4月19日号