辞任した塚田前国交副大臣(C)朝日新聞社
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忖度メール全文(提供)
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 やはり「忖度」はあったのか?

【全文】国交省の”忖度”メールはこちら

 辞任に追い込まれた塚田一郎前国交副大臣は、「安倍・麻生道路」と揶揄されている下関北九州道路の建設計画について、「吉田博美自民党参院幹事長と大家敏志参院議員から『安倍首相と麻生副総理の地盤だろう』と言われて、忖度して予算を付けた」と発言し、撤回。

 安倍政権は火消しに躍起だったが、国交省が8日の衆院国交委員会理事懇談会で、塚田氏と自民党の吉田博美参院幹事長らが面会した際のメモを公開した。

 公開されたのは、昨年12月に国交省副大臣室で塚田前副大臣が吉田氏らと面会した際のやりとりを同省職員がメモにし、職員同士で共有したメールのコピーだ。

 2018年12月20日午後1時半から、塚田前副大臣と吉田参院幹事長ら3人の会談は行われた。国交省の2人の職員も立ち会っていたことがメールからわかる。以下はメールの全文――。

*  *  *

各位
本日12/20の吉田博美議員、大家敏志議員による塚田副大臣への要望対応結果(下関北九州道路)について共有します。

日時:平成30年12月20日(木)13:30~13:45
相手方(◎):吉田博美議員(参/自/長野)
   (□):大家敏志議員(参/自/福岡)
当 方(●):塚田副大臣(立会:(■)池田局長、村山企画課長)
◎:参議院議連の会長をさせて頂いている。
  総理、副総理の地元とは関係なく、中国・九州の経済や後世のため、オールジャパンで必要な道路。
 大会のあいさつでも、総理・副総理のことには言及しなかった。
◎:無駄な公共事業と言われているうちに公共事業が無駄と思われるようになったが、必要なものは必要。
◎:はやく国で引き取って、施工に向けて進めて欲しい。
●:地元の調査結果をしっかり受け止め、前向きに検討していきたい。
———マスコミ退席———
■:必要性ははっきりしている道路。
◎:総理、副総理と言うと国交省もやりにくいだろう。
  与党、公明党、野党で協力して進めていく。
●:財務大臣にも要望して頂き感謝。
◎:今後のことはいつぐらいに対外的に言えるようになるのか。
■:年度末になる。
道路局企画課道路経済調査室

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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