バラエティー番組などで人気を博している、元「うたのおねえさん」(NHK「おかあさんといっしょ」)こと、はいだしょうこさん。作家の林真理子さんとの対談では、「うたのおねえさん」に合格した際のエピソードを明かしてくれました。
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林:うたのおねえさんは、NHKが公募するんですか。
はいだ:音大とかには募集がかかるんですけど、私は子どものころに童謡歌手をしていたので、そのとき一緒に出ていたキャストの先輩に「今度『おかあさんといっしょ』のオーディションがあるわよ。受けてみたら?」って声をかけていただきました。それが宝塚をやめて3カ月後ぐらいのことですね。私、「おかあさんといっしょ」が子どものころから大好きで、宝塚に行っても番組を見ていたぐらいなんです。
林:倍率が600倍だったんですって? 気が遠くなりそうですね。
はいだ:でも、倍率はあとから聞いたので。オーディションの最終審査のときに、男性6人、女性6人ぐらい残ったんですけど、「この人、おねえさんっぽいな」とか、けっこうひとごとのような感じで見ていて、私はダメだろうなと何となく思ってたんですよね。でも、合格したあとで関係者の方に聞いたら、歌がうまい人はたくさんいて、おねえさんっぽい人もたくさんいたけれども、控室での態度がいちばんおねえさんらしかったと……。
林:えーっ! そんなところも見てたんだ。
はいだ:最終試験のときに渡された譜面を見て「言葉の入れ方がわかんない。どうやってやるんだろう」と言ってた子がいて、その子がみんなに「これわかる?」って聞いてまわってたんです。でも、みんな自分のことでいっぱいいっぱいで、「わかんない。ごめん」みたいな感じで断ってたんです。最後に私のところに来たので教えてあげたんですけど、それで私は練習する時間がなくなっちゃって、そのまま面接の部屋に行ったんです。ところが控室の中にいたスタッフの方が、一部始終を見ていたんですね。
林:少女漫画にあるような展開じゃないですか、それって(笑)。