このほか、BE学科の人気を支えるのが“面倒見の良さ”だ。1、2年次は経済学や会計学、ファイナンス、データサイエンスなどが必修となり、微分積分、線形代数、確率・統計などの授業では90分の講義の直後に、90分の演習をし、知識の定着を図る。中間試験を実施する授業が多く、卒論も必修だ。前出の下川教授はこう言う。

「1、2年次は朝から晩まで勉強に取り組まないとついていけない。最初は『あぁ、しまった』と後悔する学生も多いようですが、次第に慣れてくる。学生からは『ドMが多くなる』という声が出ています(笑)」

 キャリア教育にも力を入れている。キャリアデザインの授業では、1年次に経済学の知識を駆使して科学的に自らのキャリアを考える。2年次は金融庁や銀行、証券などから専門家を招き、お金に関する知識やそれを使いこなすノウハウを学ぶ。3年次には面接対策やエントリーシートの書き方、適性を見いだせる企業の探し方などを学ぶ。

 1期生は来年卒業を迎える。多くの企業はこうした学科で学び、成長する人材を求めており、コンサル会社や金融、メーカーなどでの活躍が期待される。BE学科の人気はさらに高まりそうだ。(本誌・吉崎洋夫)

週刊朝日  2019年3月29日号

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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