──役に向き合うようになったのはいつごろから?

草なぎ:山崎君の年から15年ぐらいかかりました(笑)。30歳ぐらいでようやく、かな。才能を持っているとか芽生えるとかって、人それぞれタイミングが違います。山崎君はもう持っている子なんですよ。僕はたぶん14歳とかでは持ってなかったんで、だからこういう巡り合わせで、僕はお父さん役になっているんだと思います。彼にはすごく感心しました。

──今回の映画での草なぎさんの見どころは?

鶴岡:見ていただいた方にも伝わったらいいなと思うのは、ちょっと返事するときの色っぽさとか、そういうところにグッとくるようなお芝居をしてくださっている。そこを徹底的にやるような役です。

草なぎ:じゃあ監督、スピンオフを撮ってもらわないと。

鶴岡:不倫ドラマを……。

草なぎ:うん、ダメダメの不倫ドラマ。

鶴岡:色っぽい役がいいですかね。

──温泉場でのロケでした。

草なぎ:気持ちよかったですね。空気が都心と違うし、僕は仕事じゃないと都心から出ないんですよ。たまに地方に行くの、やっぱりいいなあと思って。しかも、そういうところに行くと集中でき、仕事にも役にも入れる。環境が役をつくってくれるんだなと思います。だから監督は、ロケハンにこだわったと思うし、本当にきれいなところだったし。僕はあんまり長くいなかったんですけど、ちょっとみんながうらやましかったな。

鶴岡:ずっといた人たちが?

草なぎ:うん。そういう撮影もいいですよね。今回、非常にいいロケ地を厳選しましたね、監督、さすがですね。

鶴岡:でも「一択」だったんですよね。とりあえず四万温泉(群馬県中之条町)に行ってみようってことだったんですが、ほれ込んでしまって、他は見ていないんです。

草なぎ:バッチリだったよね。実は僕、田舎というか、人がいないところだとちょっとさみしくなっちゃって……。あと、枕が変わると寝にくいのね。ロケ初日は絶対に眠れないの。そわそわして。お化けも怖いから、嫌なの(笑)。

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