そんな中で、2人はどうやって「共謀」したのか。

「あの2人なら、やりかねないですよ」

 こう話すのは羽賀受刑者の詐欺事件を捜査した大阪府警関係者。2007年7月、羽賀受刑者は逮捕され、自宅などに強制捜査が入った。羽賀受刑者の自宅にいたのは、麻由容疑者だった。

 大阪府警が最も重要視していた証拠が、羽賀受刑者が未公開株を巡ってAさんと交わしていた、借用書だった。

「羽賀受刑者の自宅は、恵比寿の億ションの29階やったかな。すごい豪華なマンションでしたわ。そこに、借用書や未公開株の契約書などの原本があることは内偵捜査でわかっていた。自宅に踏み込み、『借用書を出して』と麻由容疑者に聞くと知らないと言う。捜索しても出てこない。そこで、麻由容疑者を何時間も問い詰めると、『隠しました』とようやく自白。『重要な書類で主人にとって大切なものなので、捜索の前夜に知人に預かってもらった』と自供したのです。問題の借用書は、羽賀受刑者が当時、所属していた大手芸能プロダクション関係者に、麻由容疑者が託していた。証拠品とわかっていながら隠すともちろん犯罪ですよ。知らずに預かった側も罪になることもある。羽賀受刑者と麻由容疑者は、以心伝心という感じだった」(前出の捜査関係者)

 羽賀受刑者は家政婦だった麻由容疑者と結婚したとされている。

 だが、被害者のYさんはこう話す。

「麻由容疑者とも会ったことがありますわ。羽賀受刑者が宝石販売の勧誘をしていた時に、サポート役だったのが麻由容疑者。高価な宝石を買ってくれそうな客を、販売会場でみつけると素早く察知して、羽賀受刑者を呼んでいた姿が印象的ですね。一方、買ってくれなさそうな客には、とても冷たい態度。羽賀受刑者と二人三脚でしたよ。今回も、共犯関係にあると知り、納得です」(取材班)

※週刊朝日オンライン限定記事