羽賀研二受刑者 (c)朝日新聞社
羽賀研二受刑者 (c)朝日新聞社
羽賀受刑者の「遺言書」(1)
羽賀受刑者の「遺言書」(1)
羽賀受刑者の「遺言書」(2)
羽賀受刑者の「遺言書」(2)

 詐欺事件で実刑判決が確定し、沖縄刑務所で受刑中、沖縄県警に強制執行妨害の疑いで逮捕された羽賀研二受刑者(57=本名・當真美喜男)。

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 今回は元妻の當真麻由容疑者(41)も逮捕された。

 きっかけは、2016年10月に羽賀受刑者が詐欺罪で6年の実刑判決を受けた判決だった。

 事件で3億9千万円を詐取された被害者である前出のYさんは損害賠償を求めて民事訴訟を起こし、勝訴判決を勝ち取った。その3か月後に羽賀受刑者と麻由容疑者は偽装離婚し、財産分与という形で所有する不動産の名義を羽賀受刑者から、麻由容疑者に名義変更したという容疑だ。

 実は羽賀受刑者はYさんに借りた3億9千万円について「遺言書」まで残していた。

 それを本誌は入手した。

<開封厳禁>
<遺言者 當間美喜男は次の通り遺言する>

 こうした書き出しではじまり、羽賀受刑者の資産や預金口座が記され、万が一、死亡した場合はYさんへの借金返済にあてると誓った内容だった。日付は2001年4月と記されていた。この遺言書を預かった前出のYさんはこう怒る。

「遺言書は、カネを貸しても担保もなかったので、もし不慮の事故などで亡くなったらどうするんだと詰め寄ると『遺言書を書きます』と羽賀受刑者が自ら書いたものです。正式に公正証書とした遺言書は、30万円の作成費用がかかりました。羽賀受刑者はそれすら支払わなかった。羽賀受刑者はとにかくその場しのぎの口がうまくて、自分のためなら暴力団を使うなど手段を選ばない。ワルの中のワルです」

 だが、羽賀受刑者は遺言書で交わしたYさんとの約束を破り、妻の麻由容疑者と偽装離婚。羽賀受刑者の資産を麻由容疑者の名義にして、Yさんの差押えを免れようとしたのだ。 

「受刑者中の羽賀受刑者と面会を重ねていた麻由容疑者は、その際に犯行を計画していた可能性がある」(捜査関係者)

 刑務所での面会は、話の内容が安否や仕事上、不可欠なこと以外はかなり限定されている。関係ない話をすると、即座に刑務官からストップがかかることも珍しくない。

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2人はどうやって「共謀」したのか?