「変なホテル」のフロントには様々なロボットがいた(c)朝日新聞社
「変なホテル」のフロントには様々なロボットがいた(c)朝日新聞社
リストラされた「ちゅーりーちゃん」(c)朝日新聞社
リストラされた「ちゅーりーちゃん」(c)朝日新聞社

「初めてロボットが働いたホテル」としてギネスに認定されている長崎県のハウステンボスにある「変なホテル」でリストラが進んでいる。

【リストラされた「変なホテル」の看板マスコットは?】

「変なホテル」は、ロボットのフロント係、ポーターが働くホテルとして2015年に開業した。しかし、ハウステンボス担当者によると、ピーク時には27種類あったロボットは現在、17種類まで減らしたという。

 テクノロジーの進化もあいまって、時代に乗り遅れるロボットも出始めた。人間の手によってロボットの選別が始まっているというから驚きだ。

「生産性を追求するために、実証実験もかねて数々のロボットを導入し、精査を行なってきました。『変なホテル』のコンセプト通り、時代に沿って新しいものを導入していかないといけない。ついていけないロボットは淘汰されていきます」(ハウステンボス担当者)

 一時期、かわいいと話題になった、「ちゅーりーちゃん」も“リストラ”された。

 マスコットキャラクターとしての役割も担っていたちゅーりーちゃんは、これまで全部屋に置かれていたが、現在は置いていないという。

「AI機能が備わっているわけではなかったので、話しかけられたことに正確に答えられなかった。その結果、フロントへの問い合わせにつながってしまった」(ハウステンボス担当者)

 ホテル評論家の瀧澤信秋氏はこう分析する。

「本来、ロボットに合うホテルは、カプセルホテルやラブホテルなど高度なホスピタリティーとの親和性低い業態で、清掃や事務処理など機械的な業務内容というイメージ。

 ホテルで大事にされているお客さんに対するホスピタリティーとは、ロボットとは相容れない。私がハウステンボスに取材に行ったときも、『ちゅりー、電気つけて』と話しかけても反応しないから、『だめじゃないですか!』とスタッフにいったら、『ちゅりーちゃんと言わないと反応しないんです』と言われました(笑)」

 ハウステンボスでは、客からスタッフへの呼び出しが多いロボットを積極的に“リストラ”しているという。

「充電が必要だったり、エラーをおこしやすいロボットは使わなくなります。故障も少なく、手のかからないロボットが使い勝手がいいです」(ハウステンボス担当者)

 ここ数年、急速にウェブサービスやアプリケーションの発達により、ロボットの必要性も問われてきた。

 以前、取材したPepperを導入した企業担当者はこう漏らす。

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