「以前は正しい情報で名簿に載っているOB・OGは7千人ほどでしたが、今では1万人を超えています」

 業界別の同窓会も増えている。なかでも注目されるのが、マスコミ人が作る「同志社メディアクローバー会」だ(同志社の徽章が三つ葉のクローバーに見えることから、「クローバー」は同窓会の名前によく使われる)。同志社は元祖ジャーナリストの徳富蘇峰が学んだことで知られる。戦後まもなく新聞学専攻が設けられたこともあり、多くのマスコミ人が輩出してきた。

 この会がすごいのは、会長を務める河内一友・MBSメディアホールディングス会長の「母校の発展に貢献したい」という思いを受けて、大学側と連携して半期の講座を設けている点にある。今年で3期目。

 河内会長は「就職のための授業ではない」と言うが、内容は高度だ。新聞ニュース、スポーツ報道、テレビ制作などを現役社員が講義する。課題があり、最後はグループワーク。「地元の問題」を新聞記事風にリポートするのも「あり」だ。

 昨年は九州で、今年は東京で新たなメディアクローバー会が発足している。

 校友会本部も大学との連携を深めている。資金的裏付けができたため、奨学金の提供や各種事業を支援している。150周年事業が決まっていけば、順次、拡充される。

 同志社には学部によっては独自の同窓会組織がある。これらは校友会本部から独立しているが、先の長谷川副会長は、

「それでいい。『自主自立』が大事ですから」

 それでも「大学のために」を合言葉に校友会活動は変化した。新たな「化学反応」は起きるのだろうか。

週刊朝日  2018年12月28日号