それにしても、暴力が当たり前のような世界だった角界が、何で暴力決別という彼らにとって非常に難しそうな宣言をしたのか? 
「公益法人の認定取り消しが怖いんです。だから必死です。できそうもない、とか言ってられなくて、そうしなきゃいけない、という危機感でしょう」(同前)

 ちなみに一番仲が良かった同級生のお相撲さんは私がまだ高校生だった頃、大した出世もしないうちに廃業したと、後で知った。

 あれだけ苦労していたのに、と思ったが理由は聞けなかった。彼は今、声高に暴力決別を語る角界をどんな思いで見ているのだろう。(渡辺勘郎)

※週刊朝日オンライン限定記事