──引退発表時には、さまざまな反響があったと思います。

 でも、予想外の反応はなかったですね。「こういうふうに言われるだろうな」ということはある程度予想していましたから。ある意味、時代の流れでもあると思うんですよね。僕はいずれ、タレントが自分たちの手でものを作っていく時代が来ると思っていますし、自分がそのスタートを切れればと思っているんです。これまでなかった形ですから、衝撃は強かったかもしれませんが、時代の流れでもあると思っています。それこそアプローチの仕方が異なるだけというか、自分が表現することも一つの手段だし、作り手に専念するというのも、それはそれで一つの手段というか、やり方という気がしています。

──滝沢さんの引退を惜しむファンの方には、何と伝えたい?

 今は理解しがたい行動に見えるかもしれませんが、僕の考えが理解されるだろう日がくると思っていますし、そうなるように行動するつもりです。だからお互いあせらず、向き合っていければと思っています。簡単なことをやろうとしているわけではないので、言葉で説明するのは難しいですね。だからかたちとして、一つの時代として、皆さんに肌で感じてもらえるようにしていきたいと思っています。「会える」「会えない」「見られる」「見られない」とか、そういうことではなく、感じてもらえるようにしたいなと思っています。

(取材・構成/本誌・野村美絵)

週刊朝日  2018年12月21日号