北原みのり「“正しい”被害者という妄想」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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北原みのり「“正しい”被害者という妄想」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

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北原みのり週刊朝日#北原みのり
北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

イラスト/田房永子

イラスト/田房永子

 作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。今回は性暴力の被害者について。

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*  *  *
 性暴力に関心のない男性(オレは加害者にならないし~、くらいの軽さでしか考えられない人々)に、どのように被害の重さを伝えられるのか。そんな話をしている時、知人男性が「思いついた!」という明るい調子でこう言った。

「肛門に箒の柄を問答無用に突っ込まれるようなもの、というのは?」

 は? 私は一瞬で心を閉ざした。わかってないのは、お前だ! ふざけるな! ギャー! 心の中で大暴れしながら、私は心を無にした。リアルに暴れるべきだったかもしれないが、面倒だった。こんな目に遭い続けると、人は心を閉ざす方法がとても巧くなるのである。

 性暴力。男性だからわからないとは言わない。女性だからわかる問題でもない。ただそれは単純に男女反転して説明できるようなものではない。社会の根深い女性嫌悪、性差別構造を抜きには語れない。

 性暴力の被害者に話を聞く機会がある。彼女たちから聞く、警察で受ける質問には衝撃を受ける。

「処女か?」「彼氏はいるか?」「男性の好みは?」

 女性の「男性関係」が問われるのは当然の前提だという。さらに人形を使い被害者に再現させることもある。被害者に人形を使って体位を取らせ、その様子を警察官が数人で囲むという。


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