古文は最短10時間、地理は直前30日間で9割とれるという参考書をすすめている。

「日本史と世界史は一問一答形式で最終チェック。化学と物理は分野別に難易度が表示されているので、苦手分野だけ実力に合った問題を解きましょう。生物基礎は要点をまとめていますから確実に得点してください」(同)

 昨年度の英語のリスニングは難しかった。21年以降、英語の4技能(読む、聞く、話す、書く)を評価するテストを活用するため、駿台の石原さんは、難しかった反動で易しくなることを期待しないほうがいいと言い、リスニング教材などで毎日耳慣らしをすることをすすめる。

 石原さんは「センター試験は時間との戦い」だと言い切る。たしかにセンター試験を終えた受験生が「時間が足りなかった」と、よく口にする。

「直前期は、時間を意識した演習が重要です。過去問や予想問題を解くときに、80分の問題を65分、60分の問題を50分で解くことを目標にし、時間の感覚を体で覚えましょう。本番では、『いつもよりも時間がかかっている』と感じたら、見切りをつけることも大切です」(石原さん)

 一方、福井さんは冬休み中などに過去問や予想問題集をセンター試験と同じ時間割で解くことをすすめる。

「本番と同じ時間割で解いておくと、試験当日に緊張感が和らぎ、βエンドルフィンが出て、海馬の働きがよくなります」

 石原さんも福井さんも、センター試験の3日ほど前からは、苦手な分野で自信をなくすよりも、得意な科目の復習をしてつかむ「成功」のイメージトレーニングの大切さを訴える。

 ところで、これからセンター試験まで、生活のリズムも整えたいところ。

 昨年度の東大合格者数が公立トップの日比谷(東京)の武内彰校長が、この時期に生徒や保護者に話していることを教えてくれた。

「まず『朝型に変えよう』と伝えています。朝起きて3時間経たないと、脳がフル回転しないと言われているからです」

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