同大は、文部科学省が国際化に取り組む大学を支援する「スーパーグローバル大学創成支援事業」の対象となり、今年2月の中間評価では、最高評価のS評価を得た。S評価は37大学のうち6校のみだ。

 同大の高嶋孝明スーパーグローバル大学推進室室長によると、同大の授業の約4割が「英日バイリンガル授業」。海外でも通用する技術者を養成する目的からこのスタイルが生まれた。英語の教科書を使い、授業中の説明は主に日本語、板書は英日の併記、質疑応答や試験の解答は英日どちらでも可だ。

 また、日本人学生と外国人留学生がともに学ぶ「グローバル技術科学アーキテクト養成コース」を新たに設置した。現在、このコースには日本人65人と留学生32人が所属。キャンパス内のシェアハウス型学生寮に入居しながら、日本人学生と留学生が5人一組で共同生活を送る。

 留学生が学生全体の13%となり、高嶋室長によると、「受験生の間では『英語が上手になる』との評判が広まっている」という。「卒業後は起業を考える留学生が多く、日本人学生は刺激を受けている。日本的な価値観から脱し、外国と渡り合える技術者が出てくることを期待している」(高嶋室長)

 海外インターンシップにも力を入れ、学部4年次に2カ月から5カ月かけて、海外の企業や研究機関に派遣する。今年度は90人の学生が参加する。

「海外インターンシップを目指す学生は年々増え、今年は約140人が希望した。日本の企業による短期間インターンシップとは違い、本格的な実務訓練を受ける」(同)

 三菱自動車や日立製作所など大手企業に約3割が就職するなど、実績を上げてきている。学生1人につき10件ほどの求人があるほか、大学推薦もあり、希望すればほぼ100%就職できる。高嶋室長は「大学内の国際化によって、企業が求める人材が輩出するようになった」と話す。

 偏差値ではなく実利という視点で大学を選ぶのも一考の価値ありだ。(庄村敦子、本誌・吉崎洋夫)

週刊朝日  2018年12月14日号