ゴーン前会長徹底抗戦へ 日産経営陣に逆襲も? 日仏首脳がさや当て

2018/12/02 09:00


 今後の焦点は、前会長が新たな容疑で再逮捕されるかどうか。複数の司法関係者は東京地検は前会長を再逮捕し、捜査は長期化するとみている。早稲田大学法学学術院の上村達男教授はこう指摘する。

「会社に無用な海外の住宅などを買わせたとなれば、それだけで会社の財産を害していることになる。新たな容疑としては、会社法違反(特別背任)が本命でしょう」

 仮に特別背任が立件されることになれば、現経営陣も無傷では済まない。不正に積極的に協力していれば、刑事責任が追及される。捜査に協力する見返りに刑事処分を軽くしてもらう司法取引もあるが、会社に損害を与える重大な犯罪だけに、訴追リスクは低くない。刑事責任を免れても、株主代表訴訟などで民事上の責任を負うこともあり得る。

「前会長は20年近く日産のトップに君臨し、社内の裏事情を知っている。自分だけが立件されるのならば、ほかの経営陣の不正についても明らかにする可能性がある。現経営陣は巻き込まれたくないので、検察に本当のことを話さないかもしれません」(前出の専門家)

 日産は今回の事件を受けて、経営体制を見直そうとしている。前会長に権力が集中したことの反省から、経営陣が相互チェックができるようにする方針だ。

 元検事で企業のガバナンス問題に詳しい牛島信弁護士は、取締役会の多数がルノー派だったことを指摘する。

「西川社長に監視義務の懈怠(けたい)はあったでしょうが、実際にゴーン氏を誰が止められたのか。独立社外取締役がいなかったことが問題だと思います」

 日産は経営体制を見直しつつ、前会長の後任も選ばなければいけない。12月17日の取締役会で決めるとみられるが、大株主の仏ルノーは自らの意向を反映させようとしている。これに対し、日産の西川広人(さいかわひろと)社長は後任に日本人を選び、主導権を回復したいとみられる。日本人の取締役から選ぶなら、西川社長が自ら兼務するか、志賀俊之取締役がなることが想定される。

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