“原爆Tシャツ”や“ナチス帽”などで物議を晒している韓国の人気男性グループ「防弾少年団(BTS)」の東京ドームでのライブが11月13日夜、あった。
騒動後、日本での実質、初めての公の場でのパフォーマンスだけに、ファンの前で何を語るのか注目されていた。
コンサートでは「心配させてごめんなさい」とBTSのメンバーらがファンたちに謝罪。会場からは大きな声援が巻き起こったという。
開演前から会場近くでは、右派と思われる団体が「BTSは日本から帰ってください」などと抗議アピールをしていたが、大きな混乱はなかった。
人気絶頂期の韓流グループだけあって、ライブ開始2時間前の午後4時には、ドーム周辺は10、20代女性を中心に人の海と化していた。また、会場外では公式グッズの販売ブースが数カ所設けられ、各所とも長蛇の列になっていた。
動員された警察官が簡易やぐらから、DJポリスばりに「少しでも長い時間を、BTSメンバーと一緒に思い出をお持ち頂けるように早く会場へ入ってください。もしかしたら、お連れの方、お友達、ご家族の方を待っている方もいるかもしれません。しかし、待っていても何も始まりませんので、電話、メールなど何でも構いませんので、連絡を取り合い、早く会場へお入りください。なんだったら、私のせいにしてもらっても構いません」と注意喚起していた。
また、会場近くのコーヒー店では、BTSの振付師が現れ、気づいた女性ファンたちがざわついていた。
一方、JR水道橋駅近くの交差点では、BTSへ抗議するため団体メンバーらが、スピーカーで「ヘイトスピーチではありません」と前置きした上で、BTSは韓国へ帰るべきだと呼びかけた。
だが、彼らのスピーチが始まると同時に、それに抗議する人たちが「ヘイトスピーチを抗議する」と大音量でテープを流すなど現場は騒然。警官、警備員ら20~30人らが周囲で警戒していた。
たが、足を止めて見ているのは、男性ばかりでBTSの女性ファンたちのほとんどはスルーだった。BTSのライブのため、友人と通りかかった10代女性は「これ何をやってるんですか。BTSへの抗議?わからないですね。どうでもいいですね」と突き放した。
警察官や警備員が現場を監視していたこともあって、大きな混乱は起こらず、抗議団体はライブ開演時刻の午後6時には引き上げていた。(本誌・大塚淳史)
※週刊朝日オンライン限定記事