元貴乃花親方(左)安倍晋三首相 (c)朝日新聞社
元貴乃花親方(左)安倍晋三首相 (c)朝日新聞社

 10月24日から臨時国会が召集されるが、片山さつき地方創生担当相、柴山昌彦文科相、宮腰光寛沖縄・北方担当相ら新閣僚の醜聞が噴出。内閣支持率も回復の見込みはなく、来春の統一地方選や参院選を危ぶむ声が日増しに高まっている。

「安部首相は残り3年の任期を残し、急速に力を失っている。勝てると断言していた沖縄知事選に惨敗。もう先がないから、周りから人が離れていくと感じているようです。組閣でもお友達と派閥推薦の待機組ばかり登用して、さらにブーイングが増している。来年10月の消費税10%アップを控え、安倍さんで参院選を果たして乗り切れるのかと不安視する声も出ている」(自民党議員)

 そんな中、安倍首相は来年の参院選の目玉に元貴乃花親方を熱望しているという。

 元貴乃花親方は10月4日、永田町の議員会館で馳浩・元文科相と約1時間も話し込んだ。その後、報道陣の取材に応じた元貴乃花親方は笑顔を見せ、「次に何の仕事をするか、まだ余裕がなくて…」と報道陣を煙に巻いた。

「当初は鈴木大地スポーツ庁長官を候補に考えていたが、せいぜい自分の当選ラインしか票が取れないだろう。そこへ元貴乃花親方の引退騒動が起こった。首相サイドは貴乃花親方なら100万票は取れるんじゃないかと、事務方に出馬した時の遊説シュミレーションなどの指示を内々、出したとも言われている。同じ派閥(細田派)の馳議員が元貴乃花親方と会ったのもそのためです。元貴乃花親方は安倍首相の指南役として知られた“永田町の怪僧”池口恵観法主とも親しく、国体論などを熱く語っていた。かつて貴乃花部屋には神道系の後援者も多くおり、政治には興味があることは間違いない」(自民党幹部)

 しかし、日本相撲協会とバトルを繰り広げた元貴乃花親方だけに障害があるという。

「日本相撲協会の八角理事長の後援者とのつながりで一部の自民党重鎮らが貴乃花親方の出馬に反対しているようだ。だが、出馬すれば、100万票は確実に取れる。そんな候補は他にいない。自民党重鎮らが他に100万票とれる代わりの候補を連れてこれるわけがない。安倍さんはかなり前のめりになっていると聞く。あとは口説き方次第です」(前出の自民党幹部)

 はたして来夏の参院選の目玉候補として元貴乃花親方が選挙カーに乗る日はくるのか?(週刊朝日取材班)

※週刊朝日オンライン限定記事