宮腰光寛・沖縄北方担当相(左)、片山さつき・地方創生担当相(中央)、柴山昌彦・文部科学相(右) (c)朝日新聞社
宮腰光寛・沖縄北方担当相(左)、片山さつき・地方創生担当相(中央)、柴山昌彦・文部科学相(右) (c)朝日新聞社

 週刊朝日が10月15日、特報した談合するなどで行政処分を受けた複数の企業から宮腰光寛・沖縄北方担当相(衆院・富山2区)が献金を受け取っていた問題で、宮腰事務所はテレビ、新聞各社に対し19日までに「行政処分後に受け取った献金(36万円)を返還することで(業者と)合意した」と表明した。

 宮腰氏以外にも10月に発足した第4次安倍政権内閣の閣僚たちのスキャンダルが相次いで報道されている。

 片山さつき地方創生担当相が国税庁に「口利き」したとの疑惑を報じた週刊文春に対し、片山氏は報道各社のインタビューで「事実誤認で不正確な内容だ」と述べ、名誉を毀損(きそん)されたとして文春側を提訴する意向を示した。

 また大臣就任会見で教育勅語について問われ、「道徳などに使うことができる」と発言し、論議を呼んだ柴山昌彦・文部科学相も週刊ポストで政治資金疑惑を報じられている。

 宮腰氏が本誌の報道で献金返還を表明したのは、これで2度目だ。本誌は2016年7月8日号でも当時、TPP対策委員会の事務総長だった宮腰氏が15年、TPP交渉で渡米する際、日本養鶏協会会長(当時)から現金20万円を受け取っていたことを特報。宮腰氏はその後、献金を返却している。

「同じく20万円を受け取っていた森山裕元農相は週刊朝日の報道後の改造で閣外に去った。宮腰氏は当時から入閣待機組だったが、養鶏マネーで後回しとなり、今回やっと入閣できた」(自民党のベテラン議員)

 今回は身体検査はパスしたのかと本誌が宮腰大臣の政治資金収支報告書をチェックすると、複数の問題企業から献金があった。

 14年9月、富山県警などが、技能実習の資格で日本に滞在しているにもかかわらず、不法就労させたとして、北星ゴム工業(富山県黒部市)の入善工場(同入善町木根)を摘発し、48人は入管に引き渡し、逮捕者が出る事件があった。宮腰氏の政治資金収支報告書を調べると事件後の14年12月、15年2月に計66万円の資金提供を北星ゴム工業から受けていることがわかる。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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