10月8日に復帰し、3位に入賞した高橋大輔(c)朝日新聞社
10月8日に復帰し、3位に入賞した高橋大輔(c)朝日新聞社

 フィギュアスケートの高橋大輔選手(32)が帰ってきた。

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 今月8日、兵庫県尼崎市で行われた近畿選手権で、3位に入賞、ファンの期待に応えた。

 高橋は、2010年のバンクーバー五輪で銅メダルを獲得し、14年のソチ五輪で引退を表明した。

「最初、復帰を聞いたときは、同姓同名の違う高橋大輔かと思うくらい、世間が思う以上にありえないことでした。羽生結弦・宇野昌磨といった選手を筆頭に、4回転ジャンプ全盛時代である今と、高橋選手が活躍していた頃とは時代が違うので…」(スポーツライター)

 8日の復帰戦を終えた高橋が「最低です。こんなにボロクソな演技は練習を含めて初めて」とコメントした通り、アクセル、ジャンプを2度失敗し、他のジャンプも回転不足。ジャンプの成功は7本中1本のみだった。それでも、「会場の空気を1変えるのが高橋選手の魅力と色気」は健在だった。

「今回の演技では、スタミナ不足が露呈されました。ジャンプは、コンディションを整えていけば大丈夫ですが、スタミナをつけないと、4分間最後まで、スピード感を保ったまま演じきれません。ジャンプも、トップ選手ではあるけれど、とびぬけているわけではない。ただ、高橋選手は、羽生選手、宇野選手とはすごさが違います。彼はアーティストなんです。姿を見せるたび、『何をしてくれるんだろう』と毎回、期待させてくれるんです。羽生選手は、3シーズン同じプログラムを飛びましたが、高橋選手ならありえない。限られた現役生活の中でいろんな高橋大輔をどう見せるかを考えています」(前出のスポーツライター)

 高橋の現役復帰について、元フィギュアスケート日本代表で、プロスケーターの渡部絵美氏はこう語る。

「あれだけの功績を残したのに、ここからまた困難な道に立ち向かう理由は、本人にしかわからない。プロとして、アイスショーにも出ているし、彼の演技を見れないわけではない中で、競技にこだわる理由が彼の中であるのだと思う」

 進化続けるフィギュアスケート技術に高橋は今後、ついていけるのだろうか。

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