「今の時代、4回転ジャンプはメダリストにとって必須ですが、高橋選手が銅メダルを獲得したバンクーバー五輪の金メダリストは、4回転ジャンプを飛ばなかったんです。今は、4回転ジャンプのために新しいプログラムをつくらない。ただ、観客にとっては、似たプログラムを何回も見たくないというのが本音でしょう。だからこそ高橋選手には、4回転にこだわらず、トリプルアクセルで本当のフィギュアスケートの魅力を伝えてほしい。世界中のファンや観客が高橋大輔を待っていますよ」(前出のスポーツライター)

 次の大会は11月1日開幕の西日本選手権。ここでの成績で、全日本選手権出場の可否が決まる。

「日本はレベル高く、若い子も出てきています。全日本選手権に出るのは、難しくない。しかし、そこで3位までに入ることはできるか。ここは厳しい戦いとなるでしょう」(同前)

 渡部氏もこうエールを送る。

「ケガが多い選手だし、勝てる保証もない中で、挑戦することは素敵です。彼の滑る姿を見れるのは嬉しいけれど、ケガに注意し、無理しすぎず、頑張ってもらいたい」

 高橋大輔の挑戦はまだ始まったばかりだ。(本誌・田中将介)

※週刊朝日オンライン限定記事