どれくらいゲームに費やしているのかなど、現状をチェックしよう(※写真はイメージです)
どれくらいゲームに費やしているのかなど、現状をチェックしよう(※写真はイメージです)

 過ごしやすい秋は、何事にも取り組みやすい季節だ。学業や仕事もはかどる時期のはずだが、深夜までゲーム漬けでは、家族も気が気ではない。世界保健機関(WHO)が精神疾患の一つとして認定した「ゲーム障害」とはどのような「病気」なのか。家庭用ゲーム機の登場以来、長年、ゲームにはまった子どもや大人を診てきた精神科医師に取材した。

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 アルコールや薬物、ニコチンからギャンブルや買い物も……依存症の対象はさまざまであり、ゲームに依存した状態がゲーム依存症である。これをWHOが「ゲーム障害」という病気に認定した。すなわちゲーム障害はゲーム依存症と言い換えることができ、インターネットを使ったゲームであればネット依存症ともいえる。

 いまやゲーム人口は数知れないが、趣味の一つとしてたまに楽しんでいる人から、昼夜を問わずのめり込んでいる人までさまざま。このなかでゲーム依存症の人と、そうではない人の境目はどこにあるのか。長年、依存症の治療にあたってきた成城墨岡クリニック院長で精神科医の墨岡孝医師は、依存症を見分けるポイントは次の三つだと言う。

【墨岡医師による依存症を見分ける三つのポイント】
・本人や家族ら周囲の人の心身の健康に支障が出ていないか、社会に迷惑をかけていないか
・自分の意思でコントロールできているか
・ゲーム機をなくしたときに、「どうしても手に入れたい」という欲望(探索行動)が起きるか

「ゲームにのめり込むあまり、本人は学校に行けなくなり、家族とのトラブルを引き起こします。やめようとしても自分一人ではやめられず、時間制限を守れません。そして、スマホなどを家族が隠したとしても必死で探そうとします。これらに当てはまれば、ゲーム依存症のおそれがあります」

 一口にゲームといっても、その内容はさまざま。墨岡医師が、ゲーム依存症の原因で「圧倒的に多い」というのがオンラインゲームである。ネット上で何人かとチームを組んで、ほかのチームと戦うしくみになっている。

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オンラインゲームでなければ…