(c)2018 Disney Enterprises, Inc.
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「くまのプーさん」のキャラクターを実写映画化した『プーと大人になった僕』が大ヒット公開中だ。物語は、ふたりの感動的な別れを描いたアニメ版のラストシーンから始まる。監督は「ネバーランド」のフォスター。脚本には「スポットライト 世紀のスクープ」でアカデミー賞作品賞受賞のトム・マッカーシーも参加している。

【映画の場面写真はこちら】

クリストファー・ロビンが、”100エーカーの森”に住むくまのプーや仲間たちと別れてから長い年月が経った。

 大人になったクリストファー(ユアン・マクレガー)は、妻と娘と共にロンドンで暮らし、忙しい毎日を送っていた。

 ある時、家族と過ごす予定にしていた週末に仕事を任されてしまう。会社からの難題と家族の問題に悩む彼の前に親友プーが現れる。プーに「森の仲間たちを一緒に捜してほしい」と頼まれたクリストファーは、子供の頃プーたちと過ごした森へ。何一つ変わらない彼らとの再会に喜びを感じながらも、仕事に戻らなければならないことを思い出す。しかし、急いでロンドンに戻った彼は、森に会議の重要な書類を忘れてしまう……。

 本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★ なかなかGOOD!
同じディズニーでも、アニメより実写版の縫いぐるみのプーの方が好き。少し擦り切れた可愛い鼻先が持ち主クリストファー・ロビンのプーへの愛着を語り、子供の頃の喜びを忘れない大人になって欲しいという思いも伝わる。

■大場正明(映画評論家)
評価:★★★ なかなかGOOD!
プーがかわいかったり、心が和んだりするだけの映画ではない。立ち止まって人生を再考するような物語には、教訓が盛り込まれているが、その代わりにヒントだけがちりばめられ、自分で考えたくなる。そこが大きな魅力。

■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★ なかなかGOOD!
くまのプーさんって聞くと子ども向けと決めつけられがちですが、これは働きすぎの大人たちへ捧げられた一本です。主演のE・マクレガーですら、働き方を変えたらしい。仕事に追われているあなた、一回立ち止まろう!

■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★ なかなかGOOD!
ピーター・パンの誕生秘話を描いた「ネバーランド」の監督が今作を撮っているのが興味深い。海外では批評家よりも一般観客の評価が高いが、善意に依拠しすぎの内容のためだろう。現実社会の厳しさへの寓話だとしても。

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2018年9月28日号