丸山茂樹「ペナルティーがなくても…」大坂なおみの強さを語る 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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丸山茂樹「ペナルティーがなくても…」大坂なおみの強さを語る

連載「マルちゃんのぎりぎりフェアウエー」

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丸山茂樹週刊朝日#丸山茂樹
丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日大で活躍、アマ37冠で92年にプロ入り。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制している

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日大で活躍、アマ37冠で92年にプロ入り。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制している

大坂なおみ選手 (c)朝日新聞社

大坂なおみ選手 (c)朝日新聞社

 プロゴルファーの丸山茂樹氏が、全米オープンで日本人初の優勝を果たしたテニスの大坂なおみ選手について言及する。

*  *  *
 いやあ、すごいですね。すごいなんて言葉じゃ表現しきれないな。テニスの全米オープンの女子シングルスで大坂なおみさん(20)が初優勝! 日本勢がシングルスで4大大会の頂点に立ったのは初めて! まさに快挙ですよ。

 セリーナ・ウィリアムズ(36)との決勝で、6‐2、6‐4の完勝ですから。相手が主審に暴言を吐いたり、ラケットをたたきつけて壊したりして、3度の規則違反で1ゲームのペナルティーなんかもありましたけど、テニスの内容でも圧倒してたと思います。ゴルフで言うなら、メジャーの最終日最終組でタイガー・ウッズと回って勝ちきったようなものですからね。プレッシャーもすごかっただろうに、ほんとに快挙です。

 表彰式でのことも、大きな話題になりました。まさかの大ブーイングでしたからね。あれは、セリーナに対する審判の判定を受け入れられない人たちがブーイングしたんじゃないかと言われてます。そりゃないなあ、って思っちゃいました。そのあとで大坂さんが涙ながらに「みんながセリーナを応援してたのを知ってるから、こんな終わり方になってごめんなさい」とスピーチしたんですね。なんだか複雑な気持ちになりました。

 テニスの内容でも、大坂さんの方が圧倒的に強かったと思います。確実に圧倒してたと。ペナルティーがなくても、セリーナは大坂さんに勝てなかったんじゃないかと思いますけどね。一方でセリーナのイライラする感情も、同じプロスポーツ道を歩んできた僕からすると、分かるんですよね。ゴルフだとクラブをぶん投げたり、野球のメジャーリーグだと水の入った大きなバケツを放り投げたり。あんまりモノに当たるのはよくないけど、気持ちは分かるんだなあ。

 大坂さんのお父さんがハイチ出身で、お母さんが日本人。大阪で生まれて、3歳のときにニューヨークに引っ越したんですね。幼いころ、全米オープンの会場にも遊びに来てたそうで、そこで世界一になるなんて、すごいストーリーだなあ。

 名前の由来をメディアに聞かれて、「大阪で生まれた人の名字はみんなオオサカなのよ」なんて、笑って答えちゃうんですってね。なかなか面白いじゃないですか。

 さまざまな競技でアメリカの人が強くなっていったのって、みんながいろんな国の人と結婚して、いろんな地域のパワーが一つになってきたからだと思うんです。タイガーなんかもお母さんがタイ人で、お父さんがアフリカ系のアメリカ人でね。強靱(きょうじん)なパワーとメンタルの強さと、アジアならではの繊細さがタイガーにはある。大坂さんもそう。ちょっとおっとりしてるとことか、セリーナに対してお辞儀をしたところなんか、すごく日本的ですよね。

 もう、世界中がオリエンタルになって、その人たちが世界を制す時代が来たんだと思ってます。大坂さんが二重国籍だってことで複雑な感情を持つ人がいるかもしれないけど、彼女が日本の国旗を背負ってくれてるってのがうれしいですよね。だって、テニスのグランドスラムのシングルスで、日本人が勝ったってことを残してくれたんですよ。大坂なおみさんは、我々の誇りです。

週刊朝日  2018年9月28日号


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丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表ヘッドコーチを務める

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