室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
(c)小田原ドラゴン
(c)小田原ドラゴン

 自民党は20日投開票の総選挙について、報道各社に公平・公正な報道を求めた。作家・室井佑月氏はこの姿勢に苦言を呈する。

【この記事のイラストはこちら】

*  *  *
 
 あたしも人から我(わ)が儘(まま)だっていわれるけどさ、この人の我が儘に比べたら可愛いもんよ。

 この人の場合、我が儘を超えておる。好き勝手、やりたい放題、見苦しいくらいに。

 8月28日配信のYahoo!ニュース(毎日新聞提供)に、こんな記事が載っていた。

『<自民党>総裁選「公平報道」求める 新聞・通信各社に』

 なんでも、自民党の総裁選管理委員会が28日、新聞・通信各社に対し、総裁選に関して「公平・公正な報道」を求める文書を配布したとか。

 これまでのニュースによると、安倍さんは圧勝となりそうなんでしょ。なぜ、ここまでする? 石破さんが怖いのか?

 つーかさ、おなじく8月28日に配信された毎日新聞電子版には、

『安倍首相、総裁選絡みメディア露出を抑制する理由』

 って記事が載ってて、

<(前略)安倍晋三首相(63)が総裁選絡みの露出を抑制している。(中略)告示日まで会見の予定もなく、メディアに露出して首相を批判する石破茂元幹事長(61)とは対照的な「安全運転」だ>

 と書かれていたぞ。

 つまりさ、この二つの記事を鑑みるに、石破氏を新聞インタビューや、テレビ番組に出演させんな、ってことでしょう?

 石破さんは当初から、総裁選における安倍首相との討論会を望んでいる。でも、安倍首相がそれを快く受けてくれる気配がないから(っていうか、逃げようとするから)、単独でインタビューを引き受けたり、テレビに出たりしてるんじゃない?

 そうそう、自民党の総裁選管理委員会がメディアに送りつけてきた文書は、

<(前略)野田毅委員長名で、「各社の取材等は規制しない」としたうえで、インタビューを含む記事、写真の掲載面積などについて「必ず各候補者を平等・公平に扱ってくださるようお願いいたします」と求めている>

 とYahoo!の記事にある。

著者プロフィールを見る
室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

室井佑月の記事一覧はこちら
次のページ