室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
(c)小田原ドラゴン
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 東京医科大の不正入試問題や、自民党の杉田水脈衆院議員のLGBT差別発言などから、作家・室井佑月氏はこの国の現状に苦言を呈する。

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 いやぁ、びっくりしちゃったな。東京医科大学は、裏口入学だけでなく、女子受験生の得点を一律に減点しておったのか!

 子どもたちに、伝えたくないニュースだよ。

 だってこの国では、どんな親のもとに生まれたかが大事で、男であることが大事で。

 結婚や出産を機に職場を離れる女性医師が多く、系列病院の医師不足を回避する目的だったというけれど、結婚も出産も女だけでするもんなの?

 出産しないと生産性がないといわれるしさ。

 子どもが小さいときくらい女は家にいろ、といわれたり、労働人口が減っているからこれからは女も働け、といわれたり。

 自民党の杉田水脈議員のLGBT差別発言が問題となっているが、今の自民党主流派の人々は、ほんと差別が好きだよな。人権意識が低い。

 歴史の本を読んでいると、人間には本来、そういう残酷なところがあるのかもしれないとは思う。だからこそ、そういうのをやめようと、意識しながら生きていくのが、正しい今のあたしたちのあり方なんだと思ってた。

 が、安倍政権になってから、真逆に進んでいるようで。

 男であっても女であっても関係ないし、仕事を好きな女がいても、家事が好きな男がいてもいいじゃんか。

 子どもを産む産まないにしても。

 なんで、一握りの権力を握っている人たちに、こうしろああしろと、上から目線でいわれなきゃなんないの? そんなにあの人たちは立派か? ほっといてよ。

 超少子高齢化だから、そういわないといけないというならば、うちらその他大勢の人間に、子どもを作りたい気分にさせて。

 超少子高齢化で労働人口も減り、これから大変だっていうなら、いつまでもメチャクチャな税金の使い方すんなよ。

 うちらから吸い取った血税を、自分たちの利害関係で使いまくるのはやめてほしい。

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室井佑月

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室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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