匙加減が難しい…一之輔が感じる日本の「サービス」問題

ああ、それ私よく知ってます。

春風亭一之輔

2018/08/12 16:00

 振り返ると、私も日々の生活で『サービスの押し付け』をしてることが多いです。

 朝、「洗濯しといたよー!」と、これみよがしに家内に告げると「ちょっと! あれはまだ浸けおきしたばかりなのに、洗濯機を回すの早すぎる!」と注意され、不機嫌になる私。仕事がたまたま無い日に「今日はお父さんがカレーでも作ろうか!」と腕まくりすると、「あー、今日は餃子にしようと思ってタネ作っておいたのに!」と言われ、「じゃぁいいよ! もう作らんっ!(怒)」とぶんむくれる私。家庭内で、居場所を作ろうと余計な『サービス』を試みて、いっそう自分の居場所がなくなっている最悪のパターンです。

『サービス』はされる身になってしないと。されるほうも、する人の気持ちになって受けとめないと。『サービス』されるのもするのも、匙(さじ)加減が難しく、そしてその匙がけっこう重たい。

週刊朝日  2018年8月17-24日合併号

春風亭一之輔

春風亭一之輔

春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。この連載をまとめた最新エッセイ集『まくらが来りて笛を吹く』が、絶賛発売中

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