内田元監督(右)と井上元コーチ(撮影/AERA dot.編集部・福井しほ)
内田元監督(右)と井上元コーチ(撮影/AERA dot.編集部・福井しほ)
日大の第三者委員会が行った会見の様子
日大の第三者委員会が行った会見の様子
田中英寿理事長 (c)朝日新聞社
田中英寿理事長 (c)朝日新聞社

 日大アメリカンフットボール部による悪質タックル問題を調査している日大の第三者委員会は6月29日、東京都内で中間報告を発表し、危険タックルは内田正人前監督、井上奨前コーチの指示で行われたと認定した。その後、OBら日大関係者が部員らをキャンパスに呼び出し、内田前監督らの関与について口封じを図るなど組織ぐるみで隠ぺいしていたことが明らかになった。しかし、日大のドン、田中英壽理事長の責任について記者らに言及されると、ノーコメントと語る一幕もあった。

 中間報告を見たアメフト部員はこういう。

【田中英寿理事長の写真はこちら】

「内田前監督、井上前コーチの指示が認定されたのはよかった。内田前監督、井上前コーチの好き勝手な振る舞いはずっと以前からあった。それで他の大学に転校を余儀なくされた部員までいた。それを放置してきた学長、理事長ら大学の責任はないのか? 内田前監督の理事長べったりは部内でも有名。直立不動で携帯電話で喋っていて珍しいなと思ったら、相手が田中理事長だったことも。この問題はアメフト部だけではなく日大全体にかかわるものだ」

 第三者委員会の勝丸充啓委員長らの主な会見発言は以下の通り。

*  *  *

―─今後の最終報告、改善案も含めて、学内のどこまで上がっていって判断されるか。

「この報告書が真ん中で止まってしまって、学長なり理事長まで届かないのではないかという懸念を持っているということでありましょうか。もう、そうであるならば私はまったく疑いを持っておりません。当然ながら、学長なり理事長のところへ届けられると思っています。というのは私が第三者委員会の委員長を引き受ける際に、3つの条件をつけました。そのうちの最後の条件が、これまでの大学の見解と異なるかもしれない。大学に注文の多いことを書くかもしれない。しかし、何を書かれても大学は真摯に受け止めて対応する。そういうことであれば私はこの仕事をお引き受けしますと条件をつけたわけであります。当然ながら、学長なり、理事長の了解がないと進まないわけであり、もし、この報告書が届かないという事態であるなら、すぐにでもこの座を降りたいと思っております」

──新しい監督に求める条件といいますか、どういった能力のある人がいいか、もう少しアンケート結果を踏まえた上で具体的に教えていただけますか。

「一つ目はこういうふうな反則危険タックルをした部の監督でありますので、アメフトでは反則はいけないという信念として持っておられる人でないといけないと思います。そういう方でなければ、他大学の監督たちも選手たちも、怖くて日大と試合をする気にはならないのではないかと思います」

──アンケートの調査で、反則行為後のミーティングで監督が何を話したかという問いがあった。もう少し具体的に監督が何を言ったか、教えていただきたい。

「試合後の内田監督の発言を若干、紹介させていただきます。『内田監督は宮川はちゃんとやった、宮川よくやったと言っていた』。また、『内田監督はオレが指示をした、責任はオレが取ると言っていた』。それから『あのプレーはオレが指示した。何か言われたらこれは監督の指示だと言えと言っていた』ということを話していました」

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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