──当該選手に反則の指示があったということを、試合中に他の選手が、どのくらいの人数が認識していたのでしょうか。

「正確な数でお答えできないですが、相当多数の選手が監督およびコーチの当該選手に対する指示を知っていたあるいは聴いていたということであります。これはヒアリングもそうでありますが、アンケート結果でもあきらかであります」

──それは試合中にすでに認識していたということでよろしいですか。

「今、お答え申し上げたのは試合前ということである程度聴いております」

──反則を指示するのが、一度だけではなくて、他の選手にも同じようなことがあったとお答えになっていましたが、どういう指示文言なのか、アンケートなりヒアリングなりで具体的になっていることがあったら教えていただきたい。

「いろんな選手の方々にヒアリングをしていく過程で、反則をしてもいいからつっかかっていけという種類の発言をしていたということです。内田監督からつぶせという指示を受けたことがあったとか、相手プレイヤーを特定してつぶして来いという指示を受けたことがあるかというアンケートをしているわけでありますけども、そういうことを私も言われましたという人が複数、います。必ずしも本件の選手だけではないということであります」

──大学のガバナンスの問題についてコメントがあったが、基本的に運動部のラインは学長のラインにあるという説明でしたが、田中理事長による一元統治が問題になっています。法人トップの田中理事長の責任というのはどのように考えているか。

「現段階で、田中理事長個人の責任についてコメントするつもりはない。ただ、ガバナンスの問題となると学長だけの問題ではなく、理事長あるいは理事会側、経営側の問題も当然あるわけでありまして、これから調査していきたいと思っております。学長のラインだけを調査すればいいと考えているわけではありません」

──新監督の選考の件なんですが、結果的に口封じをした日大関係者の影響下にある監督の人選がなされた場合に、第三者委員会として排除するような対象になるのでしょうか。

「そういうことはあり得ないと思っております。空から星が落ちてくるような確率だと思いますが、もし、そういうことがあったとしたらとんでもないこと。第三者委員会としてはそういうのは認めるわけにはいけない。あるいは関東学連も同じ気持ちだと思います」

──第三者委員会も選考する前にチェックをするということでしょうか。

「選考の過程で悪い影響力があるとするならば、それはただちに排除するよう申し入れるつもりであります」

(本誌・上田耕司)

※週刊朝日オンライン限定記事

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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