社外取締役という名の天下り 不祥事企業に官僚OBが就任事例も (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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社外取締役という名の天下り 不祥事企業に官僚OBが就任事例も

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座小田英史,堀篭俊材週刊朝日
外務省

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 東芝の不正会計問題を調べた第三者委員会が15年7月に出した報告書では、監査委員会の社外取締役の問題点をこう指摘している。

 東芝の社内からも「会計の世界と縁遠い元外交官が監査委員を務めたのがそもそもの間違い」(幹部)という声がある。

 外務省OB2人は、不正会計問題の発覚後に退任した。そのうち、駐インドや駐中国大使だった谷野作太郎氏は、自動車メーカーのスズキの社外取締役をいまも務める。

 16、17年のスズキの株主総会では、社外取締役には選ばれたものの、多くの反対票が集まった。機関投資家に議決権行使について助言する米ISSが、「会計不祥事を起こした東芝の監査委員だった」ことなどを理由に、反対票を投じるよう促したためだ。今後は不祥事があった企業の社外取締役が、他の会社で選ばれなくなることもあり得る。

 官僚OBが社外取締役になるのは、「天下り」の一環とも指摘されている。文部科学省で組織ぐるみの天下りあっせんが発覚したことでもわかるように、退職後の仕事の確保は中央官庁にとって重要なことだ。

 天下り先では、公益法人や政府系金融機関などがよく知られている。民間企業でも顧問などとして、表に出ない形で受け入れているところもある。

 文部科学省のあっせん問題では、大手生命保険に「週1日1千万円」の顧問ポスト枠があることがばれた。こうしたおいしい天下りポストは表面化していないだけで、たくさんあるのが実態だ。

 上場企業の社外取締役は人事が公表され、株主の承認も必要なため、従来の天下りには当たらないとの指摘もある。だが、一般人から見ると、官僚OBが何社も社外取締役を兼務し高額の報酬をもらうのは、天下りにほかならない。

 東京商工リサーチ常務の友田信男・情報本部長はこう指摘する。

「社外取締役を1社2人と決めたことで、形だけ整えている企業は多い。何もしない人にとって良い天下り先と言えるだろう。制度が始まって数年たったこともあり、どういう効果があったかを客観的に示す工夫をしてはどうだろうか」


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