裁判記録によると、勝田容疑者は、自分の腹をナイフ、彫刻刀で刺して血を見ながら、好きな少女、女児が血を流していることを思い浮かべ、自慰行為に及んでいたという。

 ところが、精神科に入院するなどして、自分の腹を刺すことができなくなり、実際に少女や女児の腹を刺して、その苦しむ姿や血を見て自慰行為をしようとして勝田容疑者は、街中を2時間以上も徘徊。制服姿の好みの中学3年生の少女をみつけ、ひとけのない細い道で待ち伏せして、少なくとも5回、クラフトナイフを突き刺すことで「快楽を得ていた」と法廷で明かされた。

 そして、犯行に使用した自転車で血を流している少女を隠すようにして逃走。

 その途中に犯行当日に買った、赤い帽子をかぶって変装をして捜査をかく乱。

 法廷で勝田容疑者は異様な犯行動機をこう語っていた。

「自分の腹を刺せなくなった。刺すと痛いので、好みの女の子を狙った」

「殺すつもりはなく、女の子の血を見たかった」

 精神鑑定では精神科医からは「性的なサディズム」「サディズム型ペドフィリア」と診断されていた勝田容疑者。いじめなどがきっかけでそのような、性癖を持つようになったという。

 勝田容疑者の実家は兵庫県加古川市内にある。実は、周辺で女児が襲われ、未解決事件が複数あるという。中でも2007年に小学2年生の女児が刺殺された事件は今も犯人逮捕には至っていない。

「女児が刺殺された現場から勝田容疑者の自宅は3キロほどしか離れていない。付近では、まだ女児や少女が襲われて、未解決という

 事件がいくつもある。今後、勝田容疑者に事情を聞くことも視野に入れている」(前出・捜査関係者)

 勝田容疑者のおぞましいまでの心の深淵を解明することはできるのだろうか。(今西憲之)

※週刊朝日オンライン限定記事

著者プロフィールを見る
今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

今西憲之の記事一覧はこちら