仏ヶ浦(佐井村)約2000万年前、大規模な海底火山の活動が起き凝灰岩が堆積し層が形成された。その層が隆起し、さらに浸食され今の姿になっている。この地の凝灰岩はもろく崩れやすく、現在も少しずつ岩が崩れ落ちている。そのため植物が根付かず白い岩肌が見える。佐井港から定期観光船を利用し、訪れることが可能だ
仏ヶ浦(佐井村)
約2000万年前、大規模な海底火山の活動が起き凝灰岩が堆積し層が形成された。その層が隆起し、さらに浸食され今の姿になっている。この地の凝灰岩はもろく崩れやすく、現在も少しずつ岩が崩れ落ちている。そのため植物が根付かず白い岩肌が見える。佐井港から定期観光船を利用し、訪れることが可能だ

 日本には、地球科学にとって重要であり、かつ、美しい地層が数多くある。

【チバニアンだけじゃない!日本列島の美しい地層はこちら】

 太平洋プレートやユーラシアプレートなど四つのプレートが今も活発に運動し、衝突する上にある日本列島。これらのプレートの運動が、ときに地層という美しい風景ももたらしてくれるのだ。

「地層は地球の履歴書ともいえるでしょうね」とは、産業技術総合研究所・地質調査総合センターの斎藤眞さん。地層を見ることで、大規模な火山の噴火の影響を受けたとか、かつて海の底であったとか、その当時の環境が解明できるのだという。

 単なる土の層に見えるが、そこには地球が生きてきたこれまでの履歴が克明に刻まれている。地層に触れ、地球46億年の歴史の旅に出かけてはいかがでしょう。

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仏ケ浦(青森県・佐井村)
約2000万年前、大規模な海底火山の活動が起き凝灰岩が堆積し層が形成された。その層が隆起し、さらに浸食され今の姿になっている。この地の凝灰岩はもろく崩れやすく、現在も少しずつ岩が崩れ落ちている。そのため植物が根付かず白い岩肌が見える。佐井港から定期観光船を利用し、訪れることが可能だ。

長瀞岩畳(埼玉県・長瀞町)
荒川沿いに広がる、岩石が地下深くで強い圧力を受けて形成された三波川変成岩類と呼ばれる地層が地表に現れたところ。岩畳近くでは、変成によってできたさまざまな結晶片岩が見られることから、「地球の窓」とも呼ばれている。岩畳の対岸には秩父赤壁と呼ばれる絶壁があり、深く青い水の色とのコントラストが美しい。

屏風ケ浦(千葉県・銚子市)
高さ40〜50メートルの海食崖が約10キロ続く。新第三紀鮮新世末から第四紀更新世に海底で堆積した地層が隆起して波で削られてできた。地層はよく見ると、わずかに西に傾いている。また、白いスジのような火山灰層や断層のズレを見ることのできる場所もある。英国のドーバー海峡に似ているところから、東洋のドーバーとも呼ばれ、教科書にも取り上げられる有名な地である。

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