地層大切断面(東京都・大島町)


バウムクーヘンのような縞模様は、1万5000〜2万年の間に、約150年に1回の周期で起こった噴火により火山灰が堆積したもので、三原山の噴火のレコードを見ているようでもある。高さ30メートル、長さ800メートルにわたって広がり、1953年の道路工事の際に偶然発見された。うねるような地層は、側面から圧力を受けて曲がった褶曲(しゅうきょく)のように見えるが、起伏のある地に噴出物が堆積したためである。

飛水峡(岐阜県・七宗町、白川町)
飛騨川の七宗町から白川町まで約12キロにわたって続く、赤や薄緑に見えるチャートと灰色の砂岩からなる峡谷。このチャートは三畳紀からジュラ紀の動物プランクトン(放散虫)の化石が、平均千年に数ミリのペースで堆積してできたもの。とくに上麻生駅の東側は、チャートとそれがえぐり取られてできた甌穴(おうけつ)が見事。

須佐ホルンフェルス(山口県・萩市)
白、黒、グレーの縞模様が美しい高さ約15メートルの断崖。ホルンフェルスとはドイツ語で角張った岩石という意味で、熱により変成した接触変成岩のことをいう。この層は約1500万年前に堆積した砂や泥が、約1400万年前にマグマの熱で変成したもので、とても強固である。地層面は千畳敷とも呼ばれるほど平坦になっている。

鬼の洗濯板(宮崎県・宮崎市)
宮崎市の南に浮かぶ青島から南方の小内海付近まで広がる波状岩の海岸で、その形状から「鬼の洗濯板」と呼ばれている。約700万年前に砂岩と泥岩が交互に堆積し、それが隆起する際に浸食されてできた波食台で、浸食に弱い泥岩が凹んで波状になった。青島では潮が引くと沖合100メートルにも及ぶ「洗濯板」が出現する。堀切峠からは上から眺めることができる。

週刊朝日 2018年6月1日号