つまり、現時点でチームの即戦力として期待するというより、ポスト大谷としての大成を重視。先をみて、2軍で育てることを考えているようなのだ。

 さて、当の清宮は……普通の高卒ルーキーならまだまだ緊張の日々のころだが、「マイペースでやってますが、普通のマイペースとは違います」(担当記者)。

「次の練習メニューがあるのに水を飲んだりしてゆっくりしてるので首脳陣から『次、あるぞ』と言われても、しっかり水を飲み、ペースを変えない(笑)。水分補給は大切、と意識してるんです。守備のミスがあったときも気にしてない様子ですが、本人が『普通だったら、ココ、ヘコむところだろうけど』とか言うんで、鈍感なわけじゃない。気にしないようにマインドコントロールしているんだと思うんです」

 こう語る担当記者は「意識が高いのはメジャーでの活躍をゴールに考えているから」だとみている。そして、それを一番意識しているのが栗山監督だろう、と。

ドラフト直後から栗山監督は『プレッシャーがある』と言ってました。日本で一番の選手になってメジャーへという清宮の夢をかなえる、という意味でね」(同)

 ポスト大谷の育成は始まったばかりだ。(本誌・松岡かすみ、岩下明日香/黒田 朔)

週刊朝日 2018年5月25日号