初めてのワンマンで笑顔を見せるのん(撮影/Kentaro Minami)
初めてのワンマンで笑顔を見せるのん(撮影/Kentaro Minami)
パンキッシュなギターリフを聴かせたのん(撮影/Kentaro Minami)
パンキッシュなギターリフを聴かせたのん(撮影/Kentaro Minami)
ゲスト出演した高野寛(左)と「スーパーヒーローになりたい」を共演した(撮影/Kentaro Minami)
ゲスト出演した高野寛(左)と「スーパーヒーローになりたい」を共演した(撮影/Kentaro Minami)
ゲストの大友良英(左)とはトークでも盛り上がった(撮影/Kentaro Minami)
ゲストの大友良英(左)とはトークでも盛り上がった(撮影/Kentaro Minami)
透明感のある歌声でバラードも(撮影/Kentaro Minami)
透明感のある歌声でバラードも(撮影/Kentaro Minami)

「女優・創作あーちすと」のんが8日夜、東京・渋谷のクラブクワトロで、初めてのワンマンライブをした。ストレートなロックンロールを中心に、全15曲を全力で歌い切った。今夏、全国5都市をツアーすることも発表した。

【豪華なゲストも…ライブの様子はこちら】

 この日の公演は、9日発売のファーストアルバム『スーパーヒーローズ』のお披露目。チケットは完売したといい、小学生からお年寄りまで幅広い世代のファンが会場を埋めた。

「のーん!」「のんちゃーん!!」。待ちきれない観客の歓声が飛び交うなか、ステージが暗転し、赤いマントを羽織ったのんが登場した。アップにした髪はパンキッシュなイメージ。関係者によると、敬愛する忌野清志郎へのオマージュだという。

「みんなで盛り上がっていきましょう!」

 そう言って笑顔を見せると、いつもの赤いギターを鳴らし、自身が作詞・作曲した新曲「正直者はゆく」「あることないこと」を一気に歌い上げた。「わたしはベイベー」「My Day」「私の大好きな歌」と続け、「この3曲は『ワタシ』三部作です」。

 ここで高野寛がゲスト出演。のんのデビューシングル「スーパーヒーローになりたい」を共演。フロアの観客たちが大きく揺れた。この曲を作詞・作曲した高野が「我ながらいい曲だと思う。でも、それはのんちゃんが僕から引っ張り出したものだからね」と語ると、大きな拍手が送られた。サディスティック・ミカ・バンドの「タイムマシンにおねがい」も一緒に演奏し、前半の盛り上がりをつくった。

 RCサクセションのカバー「I LIKE YOU」、尾崎亜美がアルバム用に提供した「スケッチブック」の2曲を、それぞれ慈しむように丁寧に歌うと、今度は大友良英がゲストとして登場。いずれも大友が書き下ろしたバラードの「おやすみ」と、セカンドシングルの「RUN!!!」を共演し、会場を盛り上げた。

 のんの自作曲「へーんなのっ」「ストレート街道」、元ザ・ブルーハーツの真島昌利が作った「さぁいこう」というアップテンポの3曲を続けると、会場も大合唱で応えた。

 バラードで透明感のある少女のような声を聴かせたかと思うと、アップテンポの曲で吐き捨てるように叫ぶ。変幻自在の歌声だった。

 メンバー全員がいったんステージを下りると、会場のスクリーンに「緊急告知」という文字が大写しになり、宮城、大阪、広島、福岡、東京の5都市でのツアーが発表された。

 再びステージに戻ったのんは、両手を広げ、「ツアー、決まりましたー! 来てねー!」と呼びかけた。ひときわ大きな歓声と拍手を送る観客に、「アンコールに応えたいけど、もう持ち歌全部やっちゃった。何が聴きたいですか?」。観客の反応を楽しむように、「へーんなのっ」を改めて演奏して閉幕した。

 のんは終演後、報道陣に「めちゃくちゃ緊張していたんですけど、すごく楽しくて、ノリノリで頑張りました」と笑顔で話した。(取材・文/吉崎洋夫)

※週刊朝日オンライン限定記事

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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