白石:どうして? 教えてほしいくらいです。私、テレビは不慣れだから。

林:やっぱり本拠地は舞台というお気持ちですか。

白石:そうですね。年齢的にもそんなにたくさんはできないけど、年に1回くらいはと思っているんです。私、いくつだと思います?

林:今回、資料で年齢拝見してびっくりしました。古希を過ぎていらっしゃるとは思わなかったです。

白石:自分でもびっくりです。ちょっと油断してるうちに(笑)。

林:私も油断してるうちに還暦を過ぎました。本当にあっという間。

白石:70歳を過ぎるともっと速いの。地球がクルクル回ってるのがわかるくらいよ(笑)。

林:現役の俳優さんで最高齢ってどなたでしょう?

白石:そうね、「私は長老よ」っていろんなところで言ってますが、まだまだいらっしゃいますね。

林:この間、仲代達矢さん(85歳)の舞台を見に行ったら、草笛光子さん(84歳)がいらしてましたが。

白石:あのお二人は素晴らしいですよね。仲代さんとは舞台もご一緒させていただきました。頼もしいです。

林:俳優さんって膨大なセリフを覚えて舞台の上で動き回るわけでしょう? 頭も体もフル回転。もし私が美貌に恵まれたとしても、絶対に女優にはなれないと思いますよ。人の名前はすぐ忘れるし、おととい食べたものすら……。

白石:私の場合、セリフは若いころの2.5倍ぐらい頑張らなきゃダメかな。若いころ「このぐらいで入ったな」と思うところをもう一度繰り返してもまだ完璧じゃなくて、もう少し頑張るという感じ。そうそう、これも言っておかなくちゃ。いろんな意味で体力が落ちてくるから、2年ぐらい前から加圧トレーニングをやっているんです。

林:私もやってましたよ、やめちゃいましたけど。この間、私と同じ先生から加圧トレーニングを習っている女優さんにお会いしましたが、あちらは続けてるから美しさを……。

白石:私は美しさというより、筋肉が衰えるからそれを助けてもらってるの。私だけ元気で主人がヨレヨレというのも困るから、二人で一緒に。

(構成/本誌・野村美絵)

週刊朝日 2018年5月4-11日合併号より抜粋