百花繚乱の地下アイドル 姫乃たまさんが語る「シェルターとしての機能」とは? (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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百花繚乱の地下アイドル 姫乃たまさんが語る「シェルターとしての機能」とは?

多田敏男週刊朝日
地下アイドルの活動をしながら実態調査もした姫乃たまさん=撮影・多田敏男

地下アイドルの活動をしながら実態調査もした姫乃たまさん=撮影・多田敏男

自身の経験をもとに『職業としての地下アイドル』をまとめた姫乃たまさん=本人提供

自身の経験をもとに『職業としての地下アイドル』をまとめた姫乃たまさん=本人提供

――この業界を内と外から見続けてきたことで、地下アイドルには存在意義があると訴えています。

「16歳の頃から、自分自身の活動を通じて『地下アイドルってなんだろう』とずっと考えてきました。地下アイドルには『シェルター』のような機能があると思います。アイドルもファンもお互いを認め合っていて、他者からの承認を実感できる世界なのです。どちらか一方が相手を消費する関係ではなく、応援されることでアイドルが成長して、それを見守るファンも楽しい。多くの人がいまの時代を生きる中で、自分の精神的な居場所を探しています。時には悩んで、つらい思いもします。そういう繊細な人たちを懐深く受け止めてくれる場所なんです」

――姫乃さん自身もこの世界に助けられたんですね。

「これまでの活動を振り返って、自分でも『よくやってきた』と感じます。うつになるほど過酷な時期もありましたが、いまになって思うのは、私の場合この仕事じゃないと続けるのが難しかったということです。私は自己肯定感が低く、そのせいで人間関係を過剰に気にする癖があって、日々同じ人と仕事をすると不安が蓄積してしまうので、たぶん普通の会社員にはなれなかったと思います。こんな私でも生きていけるのは、地下アイドルの活動を通じて、自分でも世界に居場所を築けることがわかったからです」

――これから業界はどうなっていくのでしょう。

「世間的なアイドルブームは膨らみきって、ここ最近はグループの解散や引退する人も相次いでいます。ブームは過ぎ去るかもしれませんが、地下アイドルはもともとライブハウスを中心としたインディーズの世界なので、現場主義に戻っていくだけだと思います。コアな地下アイドルの世界は万人受けするものではなく、必ずしもみんなの居場所にはならないかもしれません」

「この世界自体は好きになってもらわなくてもいいのです。もちろん好きになってくれたらうれしいですが、私のように意外なところに居場所を見つけられる人がいることを知ってもらいたいです。そのために『職業としての地下アイドル』を書きました。アイドルにはそこまで興味がなくても、居場所がなくて憂鬱(ゆううつ)な人に読んでもらいたい。それぞれにとって居心地のよい場所が、きっとどこかにあるはずだと伝えたいのです」

(本誌・多田敏男)

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