コスモス薬品(c)朝日新聞社
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主要各社の売上高(2016年度)(週刊朝日 2018年5月4日-11日号より)
主要各社の売上高(2016年度)(週刊朝日 2018年5月4日-11日号より)
ドラッグストアの用途(女性35~49歳)(週刊朝日 2018年5月4日-11日号より)
ドラッグストアの用途(女性35~49歳)(週刊朝日 2018年5月4日-11日号より)

 ドラッグストアの勢いが止まらない。買収・合併や、食品、インバウンド需要などが追い風となり、百貨店を追い抜いて7兆円産業へと成長している。2025年に10兆円の目標を掲げ、コンビニ市場に迫る展開となりそうだ。業界の戦略と未来を分析した。

【図】主要各社の売上高はこちら

 日用品や食料品など普段の買い物に主婦が行くのは安さが魅力のスーパーだが、最近はドラッグストアが存在感を増している。

 経済評論家の横川楓氏はこう話す。

「野菜や肉など生鮮食品を売っているところもあり、生活の必需品がそろう。取扱品もほとんどが『激安』というくらいの割引価格。いろいろな店を回ることなく買い物ができる」

 売り上げ規模をみると、ドラッグストアの勢いがよくわかる。日本チェーンドラッグストア協会の調べでは、2017年度推定で前年度比5.5%増の6兆8504億円となった。00年度を基準にみると、毎年拡大し、2.6倍に膨らんでいる。全国の店舗数は2万店近くまで増え、高齢化社会を迎えて狭小商圏化への対応が進んでいるという。

 最近は、便利さで成長したコンビニエンスストアと商圏が重なり合う。コンビニはこのところ停滞気味で、ドラッグストアはその売り上げ規模を射程に入れる勢いだ。日本フランチャイズチェーン協会によると、17年のコンビニ売上高は9兆4738億円。同じく伸び悩む百貨店の売上高は、日本百貨店協会の調べによると、同年でほぼ横ばいの5兆9532億円と、ドラッグストアが追い抜いた。

 買い物先の使い分けについて日本能率協会総合研究所が興味深いアンケートを実施している。最も利用しているのは女性の35~49歳で、その用途はここ数年、半数以上が「安いものを買う」としてきたが、最近は「日常の買い物」が上回っている。

 業界関係者は「小売業が同質化している」と言う。

「どこの小売店でも同じものを購入できる。最近はコンビニの商圏で戦うようになった。今後は専門性や独自性の強化が必要だ」

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